(2015年2月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

米国務長官、イランのイスラム国空爆は「有益」

ISISとの戦い方について、米国で議論が割れている〔AFPBB News

 「我々は彼らを殺すことでこの戦争に勝つことはできない」

 米国務省の広報を担当するマリー・ハーフ氏は2月16日にMSNBCテレビでこう語り、この週ワシントンで繰り広げられたテロリズムに関するメディア論争に火をつけた。

 「人々をこれらの集団に参加させている根本的な原因に迫る必要がある。それが仕事に就く機会の欠如であれ・・・」

 数時間後には右派メディアのフォックス・ニュースが、ウサマ・ビンラディンを撃ったと主張する米海軍特殊部隊ネイビーシールズの元隊員、ロブ・オニール氏を番組に招き、同氏は「彼らを殺すこと」こそが、まさに米国が「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」のジハード主義者らを倒す方法だと説明、「彼らを止めるものは、キャリアパスの変化ではないと思う」と語った。

 フォックス・ニュースの番組のほかの部分は、それほど礼儀正しくなかった。

テロリズムの根本原因

 よくあることだが、政治的な点数稼ぎはより大きな超党派の問題をぼかしてしまう。オバマ政権はこの週、暴力的な過激主義について議論するために60カ国の閣僚と3日間のサミットを開催した。ハーフ氏が事前に説明していたのが、この国際会議だ。

 サミットの顕著な特徴は、「9.11」のテロ攻撃から10年以上経った今、米政府がまだテロの「根本原因」について同じ対話を行っていることだ。

 アフガニスタンとイラクの戦争、そして「対テロ戦争」を13年間戦ってきた末に、米国は振り出しに戻り、人が急進的になる理由を説明するのに腐心している。

 ジョージ・W・ブッシュ大統領にとっては、問題の原因は中東の抑圧と民主主義の欠如にあった。「米国民は『なぜ彼らは我々を憎むのか』と問うている」。ブッシュ氏は9.11の直後にこう語った。

 「彼らは我々の自由を憎んでいる。我々の宗教の自由、我々の言論の自由、投票し、集会を開き、互いに意見を異にする我々の自由を憎んでいる」