(2015年2月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

デンマーク銃撃とパリ襲撃に類似点、関連付けに慎重論も

2月15日、デンマークの首都コペンハーゲンで、イスラム教と言論の自由についての討論会を開催中に銃撃された文化センターの前で犠牲者を悼む人〔AFPBB News

 デンマークの警察当局は、首都コペンハーゲンで14日に2人が死亡、5人が負傷した連続銃撃事件について、容疑者が暴行の犯罪歴や犯罪組織とのかかわりもある22歳の男であること、そして警察もこの男の存在は知っていたことを明らかにしている。

 ただ、容疑者がシリアあるいはイラクから帰還した戦闘員であることを示すしるしはないと述べている。

 容疑者はコペンハーゲン生まれ。言論の自由に関する会合が開かれていた同市内のカフェや、同市で最も重要なシナゴーグ(ユダヤ教会堂)を襲撃した後、15日早朝に警察に射殺された。この会合には、かつてイスラム教の預言者ムハンマドを犬にたとえた絵を描いた風刺画家が参加していた。

 警察当局は、14日夜に容疑者を自宅まで乗せたタクシーの運転手から通報を受けて追跡していた。射殺された容疑者の氏名は明らかにしなかった。

テロの脅威に備えてきたデンマーク

 風刺画家のラーシュ・ビルクス氏やフランスの駐デンマーク大使も出席して話をしていた、クルッテンデン文化センターでの会合の銃撃では、映画監督のフィン・ノガードさん(55歳)が亡くなった。過去にも何度か襲われているビルクス氏は冷蔵庫の中に隠れて難を逃れた。5人の警察官が負傷し、うち4人は15日の夜を病院で過ごした。

 コペンハーゲン市の警察官組合の代表者、クラウス・オクスフェルト氏によれば、パリのユダヤ教徒向けスーパーマーケットや、預言者ムハンマドの風刺画を掲載した新聞社を銃で武装したイスラム主義者が襲撃した先月の事件以降、同様のことがコペンハーゲンでも起こり得ることをデンマークの警察当局は「しっかり認識していた」という。

 どちらの現場でも、武装した警察官が犯人の行く手を阻んだ。「しかし、我々は幸運でもあった・・・もっとひどい事態になる可能性もあったのだから」とオクスフェルト氏は述べている。

 容疑者は先月のパリの事件に触発されたと考えて、警察当局は捜査を進めていた。銃撃が単独で行われたのか、あるいは共犯者がいるのかを調べるために大規模な捜査活動が行われ、15日夜には新たな逮捕者も出たとの報道もあった。