昨年あたりからデジタルマーケティングの世界で「コンテンツマーケティング」という言葉が広がってきている。

 企業が自社サイト、ブログ、フェイスブック、ツイッターといったメディアを使うことがコミュニケーション手段として確立してきた。そのなかで、そこに掲載する「コンテンツ」を軸に据えたマーケティング手法がコンテンツマーケティングである。

 マーケティングにおけるコンテンツ、つまり「ネタ」部分は、もちろん重要ではあるものの体系化しづらいこともあり、いままではあまりフォーカスされてこなかったが、ここへきて存在価値が上がってきたと言える。

 筆者が関わってきた顧客向けのウェブサイトやCMS(コンテンツマネジメントシステム)構築などのプロジェクトにおいても、「作って終わり」というものは少ない。その後の運用、つまりコンテンツの制作と発信を継続的に行うことの方が仕事としてははるかに大きい場合が多かった。

 そこで今回は、コンテンツマーケティングに関して現場でどういうことが起こっているかを紹介しながら、今後取り組んでいく方々と留意点を共有していきたい。

「コンテンツ」だけに気を取られる危険性

 ある会社では、「やはりこれからはコンテンツの充実だ」ということで、自社サイトにおけるコンテンツマーケティングへの取り組みを開始した。