(2015年2月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ウクライナ和平めぐり独仏露の首脳が会談、共同文書作成で合意

アンゲラ・メルケル首相(左)は2月6日にはフランスのフランソワ・オランド大統領(右)とともにモスクワを訪れ、ウラジーミル・プーチン大統領と会談した〔AFPBB News

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相が12日、ブリュッセルでの欧州連合(EU)サミットに到着した際、同氏の顔には、ウクライナ危機の解決を目指す驚異的な執念でこの1週間耐え抜いた眠れぬ夜の痕跡が現れていた。

 だが、目の周りの深い隈にもかかわらず、欧州最強の指導者にとって、休息を得られる見込みはなかった。

 ウクライナ問題を巡りミンスクで徹夜の協議を行ったわずか数時間後には、メルケル首相は、EUの27人の指導者――特に、ギリシャ救済を巡ってドイツと対立しているギリシャの急進派のアレクシス・チプラス新首相――との話し合いに備えて準備していた。

ラクダのような辛抱強さ、危機収束のために2万キロの旅

 「私にはラクダのような資質が備わっている」。60歳のメルケル氏は、ほかの人が疲労で倒れるような時にも前進し続ける自身の能力について、こう話したことがあった。

 ベルリン→キエフ→ベルリン→モスクワ→ミュンヘン→ベルリン→ワシントン→オタワ→ベルリン→ミンスク→ブリュッセルという訪問日程で約2万キロを移動したこの週は、その力を最後まで出し切る必要があった。

 その移動距離は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領から合意を取り付けることの絶望的なまでの難しさを反映している。これだけの努力にもかかわらず、12日朝に結ばれた停戦合意は、昨年9月にミンスクで締結したが、一度も実施されなかった以前のものとほとんど違いがない。

 ブリュッセルに到着した際、メルケル氏は勝ち誇るというよりは冷静な態度で、「これはかすかな希望だ。今度は言葉に行動が伴わなくてはならない」と述べた。

 困難な問題に一歩ずつ取り組むのがメルケル氏の政治スタイルだ。ウクライナ危機に関しては、第1の目的はかねて戦闘を止めることであり、次に、停戦がさらなる協議や行動のために少し息をつく時間を作り出してくれると期待することだった。