(2015年2月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 中国とパキスタンは奇妙なコンビと呼べるだろう。両国関係は国際外交において、最も緊密だが、最も理解されていない関係の1つだ。

 表面上は、両国に共通点はあまりない。中国の国家は強く、経済は数十年間成長し続けてきた。パキスタンの国家は軍を別として弱く、経済パフォーマンスは悲惨だ。中国は共産主義国で、宗教が厳しく統制されている。パキスタンはイスラム国で、宗教の情熱は往々にして手に余る。

北京から見た世界

 それにもかかわらず、中パ両国は数十年間に及ぶ関係を維持してきた。この関係は、パキスタンの軍事政権と文民政権の変遷や、移ろいやすいパキスタンと米国の関係を乗り切ってきた。

 今週、中国の王毅外相はパキスタン政府が「友情の揺るぎない絆」と呼ぶものをいっそう固めるために、パキスタンを訪問している。もし中国の習近平国家主席がパキスタンの共和政記念日の祝賀行事のためのイスラマバード訪問の招待を受け入れたら、来月はもっと重要な局面になるかもしれない。

 我々は概して、中国政府の目を通して物事を見ない。変わりゆく現実を理解するためには、その努力をしなければならない。

 北京から見ると、世界は敵対的な場所にも見える。自由民主主義に対する揺るぎない信念を抱く米国は、中国での政体変更を積極的に追求してはいないかもしれないが、間違いなく共産党の崩壊を歓迎するだろう。

 米国政府はインド、オーストラリア、日本を含む国々と連携し、地域における中国の軍事的野望を抑えようとしている。フィリピンやベトナムなど、最近まで中国の「微笑み外交」に安心していた近隣諸国は、警戒するようになった。中国の気前のいい支援にほぼ完全に依存している北朝鮮でさえ、反抗的になった。

中国と米国の架け橋となった真の友人パキスタン

 パキスタンは中国の真の友人に見える。1950年代初めに中華人民共和国を最初に国家として承認した国の1つであるパキスタンは、中国と米国の間の架け橋だった。

 後に米国務長官になったヘンリー・キッシンジャーが1971年に米中関係正常化の準備をするために中国を極秘訪問した時には、パキスタンからこっそり中国入りした。また、中国政府にとっては、パキスタンはインドを不安定にしておく手段だった。