(2015年2月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ギリシャの左派の財務相で、何かと派手なヤニス・バルファキス氏は2月初旬に欧州各国を駆け足で歴訪した際、マッキンゼー・アンド・カンパニーが公表した世界的な債務「デレバレッジング(圧縮)」――より正確に言えば、その欠如――に関する調査リポートを楽しく読んだことだろう。

 47カ国を調査したマッキンゼーのリポートは、2007年以降、債務が経済成長よりもはるかに速いスピードで増加したことを浮き彫りにし、将来の金融危機の危険性を減らすための「新たなアプローチ」を提唱した。

 ドイツにとっては特に恐ろしいことだが、それは、まさにバルファキス氏がギリシャの債務の山について提案していることだった。

ギリシャなどより中国の債務リスクに関心

経済危機脱したギリシャ、今度はアクロポリスが一部崩れる

ギリシャと欧州諸国などの債権国との債務交渉が切迫しているが・・・〔AFPBB News

 だが、マッキンゼーのリポートについて目を引いたのは――少なくともギリシャ以外の読者について言えば――、米国のサブプライムローン危機とリーマン・ブラザーズの破綻の後、地理的な関心領域が変化したということだ。

 ギリシャについては、ほとんど言及されなかった。それを言えば、米国の債務についても同じだった。

 代わりにリポートは、新興国全体に飛び火する恐れのある中国のリスク、特に中国の不動産や「影の銀行」のリスクを明らかにしている。

 それと同じくらい目を引いたのは、オーストラリア、韓国、スウェーデン、オランダなど、2007年以降の危機を他国よりうまく回避した国々における多額の家計債務――ほとんどが住宅ローン関連――に対する警告だったかもしれない。不均衡の地理的変化は、次の金融市場の混乱を警戒する投資家やストラテジストにとって重要だ。

 2007年に破裂したような信用バブルが別の場所で起きかけていると心配しているのは、マッキンゼーだけではない。同じような考察を行っているのが、各国中央銀行のシンクタンクの役割を果たしている国際決済銀行(BIS)のエコノミストたちだ。