(英エコノミスト誌 2015年1月31日号)

世界銀行とIMFに挑戦するためには、中国はこれらの機関を真似しなければならない。

 中国の習近平国家主席は1月初め、北京でベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と会談した際、公の場では仲睦まじく振る舞い、大統領のことを「中国人の良き友人」と称えた。密室での交渉は、それよりはるかに張り詰めたものだったに違いない。

 中国の銀行は2007年以降、ベネズエラに500億ドル融資した。ベネズエラ経済が深刻な不況に陥っているため、これらの債務を返済する同国の能力は極めて疑わしくなっている。ベネズエラの債券を売買している投資家は、中国の関与がなければ、デフォルト(債務不履行)は事実上避けられないと見るだろう。

 すでにベネズエラにこれほど多額の融資を行った中国は、ベネズエラが崖から落ちてしまうのを防ぐために、マドゥロ氏にさらに多くの資金を提供するだろうか?

ベネズエラ、アルゼンチン、ロシアの救世主?

 しかもベネズエラは、中国にそうしたジレンマを突き付ける最初の国にすぎない。

 南米でベネズエラに次いで多額の融資を中国から受けている国はアルゼンチンで、コモディティー(商品)価格の急落を受けて同国も苦しんでいる。

 アルゼンチンは、外貨準備がこれ以上減少するのを食い止めるために、中国の与信枠を利用し始めている。

 そして、ロシアがいる。中国の銀行は、ロシアの石油企業に300億ドル以上貸し付けている。ロシア経済が力を失う中、さらに多くの資金を提供するという中国の約束は、ロシアを支える数少ない柱の1つだ。

 中国は、これら3カ国すべての救い主になり得る存在と見られている。これらの国にとって最後の貸し手、つまり、他国が背を向けた時に資金を流し続けてくれる唯一の銀行家である。これは中国の目覚ましい成長の証しだ。何しろ2010年まで、中国はまだ外国支援の純受入国だった。だが、この状況は、国際融資における中国の実績に暗い影も投げかけている。