2015年も1月がもう終わろうとしている。にもかかわらず、過ぎ去った2014年のロシアを巡る諸々の情報は眼前に山と残り、いまだにその消化不良に悩まされ続けている。それと言うのも、ロシアの問題が世界経済や国際政治がこれからどうなるか、にまで果てしなく広がってしまったからだ。

ことの発端は2014年2月の革命

流血のウクライナ反政権デモ、過激化の裏に謎の右翼集団

ウクライナの首都キエフ中心部で治安部隊とにらみ合う反政権デモ隊(2014年1月24日)〔AFPBB News

 多くの識者によるロシアと世界の2015年の見通し開陳が、これまでの年に比べるとやや遅れて出てきている(ように見える)のもそれが理由に違いあるまい――などと勝手に決め込み、己が力量を慰めるばかり。

 思い起こせば、ことの発端は昨年2月のウクライナでの「革命」に連なる騒ぎだった。

 それからロシアによるクリミアの併合、西側諸国の対ロ経済制裁発動、これに対するロシアの逆制裁、ウクライナ東部での独立派と政府軍の戦闘、それにロシアが軍事力で干渉した、いや、していない、の応酬、何の関係もない他国の旅客機の撃墜という無茶苦茶と誰がその下手人なのかの詮索、年が終わってみればこのウクライナの「内戦」で5000人を超す死者の数・・・。

 何度も関係国が話し合って停戦協定らしきに到り、その傍から崩れるパターンの繰り返し。そうこうしているうちに、秋からは原油の国際価格が急速に下がり始め、年末までにロシアの通貨・ルーブルは暴落。

 自国をそこまで追いやったウラジーミル・プーチン大統領は思ったほど賢明じゃないね、対ロ制裁はちゃんと成果を上げているよ、と米国のバラク・オバマ大統領は誇らしげに語る。議会選で大敗してレームダック極まれり、などと酷評された彼にまだその種の余裕らしきが残っているなら、圧倒的に強い米ドルに支えられているからに違いない。

 今年の世界経済を牽引するのは、当面は米国経済しかない、が消去法の結果のようだ。中国も経済の転換期でもがいている。それを横目に、米国の独り勝ちになる。

 欧州とウクライナ政府への対ロ督戦が仕事の米国は、実は本気でロシアと争うつもりはない、という見方もあるが、馘(かく=解雇)になったチャック・ヘーゲル国防長官は、「ロシアは長期で見れば米国にとって最も危険な国だ、だからこそ米露間の緊張を高めぬように動かねばならない」と進言して、ボスに受け入れてもらえなかったらしい。