(2015年1月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ナイジェリア北東部の市場で無差別攻撃、30人死亡か 目撃者証言

原油安のショックやイスラム過激派「ボコ・ハラム」の勢力拡大に揺れるナイジェリアでは、2月14日に選挙が予定されている(写真はナイジェリア北部・マイドゥグリの市場)〔AFPBB News

 大統領選挙が近々行われるナイジェリア。立候補しているムハンマド・ブハリ氏の戦いぶりには既視感がある。

 ブハリ氏と言えば、31年前にクーデターでこの国の最高権力をつかんだ人物だ。アフリカ最大の石油産出国であるナイジェリアは1983年、今日と同様に、原油安ショックの渦中にあった。

 原油急落のため国家の歳入は激減し、好況時に政府が膨張・腐敗していたこと、そして政治家が多額のオイルダラーを手にしていたことが明らかになった。

 緊縮財政に魅力を感じたブハリ将軍(当時)はこれを導入し、「無規律との戦い」に取り組んだが、20カ月後にライバルの将校らの手によってトップの座を追われることになった。

落選し続けたブハリ氏に追い風か

 ナイジェリアが民政に移行した1999年以降、ブハリ氏は権力の奪回を目指して大統領選挙に3度出馬し、落選している。だが、この2003年、2007年、2011年の選挙はいずれも、世界の石油価格が急回復しつつあるかピークに近づいている状況下で行われたものだった。

 今回は違う。アフリカ最大の経済大国・ナイジェリアは輸出の90%以上、および国家の歳入の70%を石油に頼っているため今年の見通しは厳しく、今回の大統領選はこれまでよりもはるかに拮抗した争いになる公算がある。

 銀行業やサービス業、消費関連産業などが好況に沸き、経済が6~7%というペースで安定的に成長していた時期には、ブハリ氏の禁欲主義的だという評価や、無駄遣いと汚職を一掃しようという主張は票につながらなかった。

 今回は景気が下り坂であるため、政治家という階層の行き過ぎに歯止めをかけるべきだという主張――72歳の痩身の候補者ブハリ氏は今回、この点を訴えの中心に据えている――には、急を要することだという印象が以前よりも強く感じられる。投票結果にはこれ以外に民族、宗教、当選者が選挙後に支持者に配分する恩恵といった要因が大きく影響するとしても、だ。

 選挙管理委員会は、有権者証の配布が遅れているものの、投票は予定通り2月14日に実施できるとしている。

 また、ブハリ氏は軍を建て直し、同国北部で勢力を伸ばしているテロ集団「ボコ・ハラム」に対抗すると公約しているが、こちらも急を要することであるように聞こえる。