本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―香港株続伸 良好な中国GDPや、HSBC製造業PMI、ECBの量的緩和を好感―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は高安まちまちでした。ハンセン指数は前週比3%余り上昇し、2万4850ポイントで引けました。一方、上海総合指数が小幅ながら下落し、3,351ポイントで終了しています。

先週のハンセン指数は大手証券3社の信用取引の新規口座開設が3カ月間停止されたことで売りが先行となったものの、中国のGDPとHSBC製造業PMIが予想を上回ったことや、ECBが量的金融緩和導入を決定したことから、大幅に上昇し、約4カ月半ぶりの高値を付けました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

中国インターネット大手の騰訊(テンセン・ホールディングス)は9%近く上昇しました。また、第4世代(4G)携帯電話の加入者数増加を好感し、香港市場で時価総額が最大の中国移動(チャイナ・モバイル)が週間で6.8%上げました。さらに、原油安の恩恵を受けて、国泰航空(キャセイパシフィック・エアウェイズ)も大きく買われました。

<下落>

一方、中国旺旺控股(ワンワン・ホールディングス)は投資判断の引き下げを受けて週間で6%超下落しました。また、原油価格が下落したことを受けて、神華能源(シェンファエナジー)も軟調に推移しました。

先週発表された主な経済指標

1月20日 固定資産投資(前年比) 12月 +15.7% 市場予想 +15.7%、前回 +15.8%

12月の固定資産投資額は前年同期比15.7%増と、市場予想と一致し、前回の15.8%増から伸びが小幅に低下しました。内訳をみると、製造業投資が前月から横ばいとなった一方、不動産開発投資や建設業投資などの減速が続きました。


1月20日 鉱工業生産(前年比) 12月 +7.9% 市場予想 +7.4%、前回 +7.2%

12月の鉱工業生産は前年比7.9%増と、11月の7.2%増から上昇し、7.4%とみていた市場予想を大幅に上回りました。これは11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の北京開催に併せて、一時閉鎖されていた周辺の工場が再開されたのに加え、緩和的な政策が寄与していると考えられます。


1月20日 国内総生産(前年比) 4Q +7.3% 市場予想 +7.2%、前回 +7.3%

2014年第4四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.3%の増と、7.2%の予想をわずかに上回りました。不動産関連の固定資産投資伸び悩んだものの、鉱工業生産の上昇や、11月の中央銀行の利下げや国外需要の緩やかな回復による輸出のリバウンドが支えとなりました。また、GDPに占める消費の割合が第3四半期の48.5%から第4四半期には51.2%まで上昇してきています。「投資から消費へ」というシフトがある程度進んだことがわかります。




1月23日 HSBC中国製造業PMI 1月 49.8 市場予想 49.5 前月 49.6

1月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.8と、市場予想の49.5を上回り、前月の49.6から小幅に改善しました。ただ、HSBC中国製造業PMIが依然として好不況の分かれ目である50を下回っており、製造業先行きの景気感がまだ楽観とはいえないでしょう。

内訳をみると、新規受注(49.6→50.8)や雇用(48.9→49.1)が改善した一方で、輸入価格(41.8→39.9)、生産価格(44.5→43.9)がさらに低下となりました。




今後発表される主な経済指標

2015年2月1日 中国製造業PMI 1月 市場予想 50.2 前月 50.1

政府発表の製造業PMIは日本時間今週2月1日10時に発表される予定です。先週に発表されたHSBC中国の製造業PMIは前月と比べると小幅に改善(49.6→49.8)したことから、政府が集計するPMIも同様に改善するかどうかが注目されます。市場では前月から横ばいの50.2が予想されています。


マーケットビュー
―ハンセン指数、利益確定売りで反落か、中国製造業PMIの発表に注目―

先週のハンセン指数は1週間で3%高と5週続伸となりました。先週の月曜日に中国で大手証券3社の信用取引の新規口座開設を3カ月間停止されたことで、ハンセン指数は売りが先行しましたが、中国のGDPとHSBC中国製造業PMIが予想を上回ったことに加え、ECBが予想を上回る規模の量的金融緩和導入を決定したことから、大幅に上昇し、2014年9月8日以来約4カ月半ぶりの高値を付け、昨年11月以降揉み合ってきたレンジを上に放れる格好となりました。

今週のハンセン指数は上昇一服となる可能性がありそうです。25日投開票のギリシャ総選挙で緊縮財政に反対する急進左派連合が圧勝したことが、香港株にとっては上値を抑える材料となりそうです。また、過去5週連続の上昇で1,700ポイント以上も上げてきたことから利益確定売りが出やすいといえます。さらにテクニカル面では、ボリンジャーバンドのチャートを見ると、ハンセン指数は上のバンド(+2σ)を超えており、買われすぎのシグナルも出ています。こうしたなか先週の大幅上昇で空けた二つの窓を埋める展開となるかどうかがポイントとなりそうで、切り上げたレンジを維持できるかが注目されます。なお、今週の日曜日には政府集計の中国製造業PMIの発表が予定されており注目されます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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