(英エコノミスト誌 2015年1月24日号)

政府がこの国の悪政と地域に蔓延する腐敗に対処しない限り、ジハード主義の武装勢力は倒せない。

ボコ・ハラム、「女子生徒は全員結婚した」 政府との停戦も否定

AFPが入手したイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」のビデオメッセージの一こま〔AFPBB News

 「ボコ・ハラム」はアフリカの「イスラム国」になりつつあるのだろうか? 流血への飢えと領土制圧の野心という点では、ボコ・ハラムは確かにイラクとシリアのジハード(聖戦)主義者と似ている。

 ボコ・ハラムは、ナイジェリアの貧しい北西部地帯でベルギーくらいの大きさの「カリフ統治領」を築いた。そして、イスラム国と同じように、植民地独立後の国境を越えてジハードを輸出している。

 過激ではあるが概して政治的な運動として2002年に始まった動きが、特に2009年の強権的な弾圧以降、ジハード主義の反乱へと姿を変え、年々暴力的になっている。2014年4月、ボコ・ハラムはチボクという町から276人の少女を誘拐した。何人かは逃げ、何人かは死亡し、多くは奴隷に売られたか、戦闘員と無理やり「結婚」させられた。

近隣諸国にも広がる脅威

 この反乱が今、他国に広がっている。1月半ば、80人のカメルーン人が誘拐された。チャドはカメルーンを支援するために部隊を派遣している。ニジェールとベナンも脅威を感じている。

 17人を殺害したパリでのジハード主義者の襲撃に世界が激怒した週、バガというナイジェリアの町周辺で2000人もの人がボコ・ハラムに殺されたというニュースには、あまり関心が向けられなかった。ダブルスタンダードだとして西側のジャーナリストを非難する人もいるし、ニュースバリューについては妥当な議論ができるはずだ。

 だが、こうした非難は、本当の非道な行為を見落としている。すなわち、ナイジェリア自身の指導者たちが、国内の大虐殺をあえて無視してきたことだ。グッドラック・ジョナサン大統領は、週刊紙シャルリエブドに対する襲撃をすぐさま非難したが、バガでの残酷な破壊行為について発言するまでに2週間近くかかった。

 5年に及ぶ武力闘争――ボコ・ハラムはこれまでに約1万6000人を殺害し、約100万人の避難民を生んだ――について聞かれた時、ジョナサン氏は、ボコ・ハラムは国際問題の一部だと述べ、ナイジェリアだけでは対処できないとほのめかした。

 だが、ジョナサン氏は責任を逃れることはできない。ボコ・ハラムは、何よりまず、ナイジェリアの破綻した盗奪的政治の産物であり、現在、それが近隣諸国をも不安定化させる恐れがある。