(2015年1月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ポーランド・ウロツワフの街並み(写真:Tumi-1983Wikipediaより)

 趣のある13世紀の市場広場、街中をくねくね走る運河、植物園。ポーランド西部の都市ウロツワフの街並みは、ガラスと鉄鋼に覆われたロンドンやニューヨーク、フランクフルトの金融街とあまり似ていない。

 だが、投資がポーランドのアウトソーシング産業に流れ込むにつれ、ウロツワフは欧州で最も重要な金融拠点の1つとして台頭しつつある。ポーランドは、金融サービス産業がバックオフィス機能を置く人気の場所としてインドに挑み始めているのだ。

中国、インドに次ぐ世界第3位のアウトソーシング市場

 当該銀行の計画について説明を受けた2人の人物によると、クレディ・スイスとUBS、BNYメロンの3行は1年半でポーランド事業の人員を3000人増やす計画だ。

 欧州連合(EU)で6番目の経済規模を持つポーランドでは、他のグローバルな競合銀行がこれら3行の後に続き、さらに何千人ものバックオフィス業務の雇用が創出されると見られている。

 昨年5月、ポーランドのビジネス・サービス・リーダーズ協会(ABSL)は、ビジネス・サービス業界の従業員数がわずか20カ月間で3割強増加し、2015年末までに17万人に達する可能性があると試算した。

 「今年はこのセクターで1万5000~2万人の新規雇用が生まれ、ざっと5000人分の雇用が金融業界からもたらされるだろう」とABSLのヤツェク・レベルネス会長は言う。

 UBSとクレディ・スイスは正確な採用計画についてコメントを拒んだが、BNYメロンはポーランドで450人の人員増強を計画していることを認めた。西側企業からのこうした投資拡大もあって、ポーランドはブラジル、フィリピンからの競争をかわし、中国、インドに次ぐ世界第3位のアウトソーシング市場になった。

 すでに、ロイヤル・ダッチ・シェルはポーランド南部クラクフのオフィスを通して、年間1兆ドル以上の現金取引を行っている。

 同様に、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)はポーランドの首都ワルシャワの拠点から欧州の物流・サプライチェーン(供給網)業務全体を運営している。ワルシャワは、シティグループのグローバルな反マネーロンダリング(資金洗浄)対策の拠点でもある。