(英エコノミスト誌 2015年1月24日号)

知的資本の重要性が増すにつれ、特権は親から子に受け継がれるものになりつつある。

ブッシュ前米大統領、弟ジェブ氏に16年出馬勧める

ジェブ・ブッシュ氏(右)も共和党の大統領候補者指名争いに名乗りをあげている〔AFPBB News

 共和党の大統領候補者指名争いに名乗りを挙げた立候補者が8月に最初の討論会に臨む時、父親も大統領選に立候補したことがある者が3人いるかもしれない。

 ここで誰が指名を勝ち取るにせよ、2016年の大統領選では、元大統領の妻と対決する公算がある。

 特権的地位の相続に反対する理念を建国の基礎とする国が、これほど世襲に寛容なのは奇妙なことだ。米国には、王や領主を頂いた経験がない。そのせいか、エリート層が固定されつつある兆候があっても、さほど気にしていないように見えることがある。

 トーマス・ジェファーソンは、美徳や才能に恵まれた人たちから成る自然発生的な特権階級と、富や出生の上に成り立つ人為的な特権階級とを区別し、前者は国家にとって恩恵だが、後者は国家を徐々に窒息させるものだと考えていた。

 ジェファーソン自身は、才能豊かな法律家だった一方で義理の父から1万1000エーカーの土地と奴隷135人を受け継いでおり、この2つの要素を併せ持つ人物だったが、彼が提唱した区別は時代を超えて有効だった。

 悪徳資本家が欧州の王族も羨むほどの富を築くこともあったが、彼ら自身の慈善活動や子息の浪費、そして連邦政府の反トラスト法による取り締まりが相まって、富裕層が確実に子孫に富を残せる国で生きるとはどういうことなのかを、米国民が知ることはこれまで一度もなかった。

 今になって、米国民もそうした生き方を知りつつある。なぜなら、現代の富裕層が子息に受け継がせる資産は、カジノでの数晩で浪費できるような性質のものではなくなりつつあるからだ。その資産とは、富よりもはるかに有用で、相続税で損なわれることのないもの、すなわち頭脳だ。

エリートと結婚するエリート

 知的資本は知識経済の原動力であるため、知的資本を多く持つ者は、大きな取り分を得られる。しかも、この資本が親から子に伝えられる傾向がますます強くなっている。成功を収めた知的能力の高い男性が成功を収めた知的能力の高い女性と結婚するケースは、これまでの世代に比べてはるかに増えている。

 ある推計によれば、そうした「同類婚」が格差を25%も拡大させているという。というのは、学位取得者が2人いる世帯には、大抵、大きな収入源が2つあるからだ。