本記事は2014年12月25日付フィスコ企業調査レポート(ビーエスピー)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
柴田 郁夫
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外部環境の変化を好機と捉え、事業構造変革に着手

 ビーエスピー<3800>は、金融や製造を始め、幅広い業種向けに基幹業務システムの運用管理等を行うパッケージソフトウェアの開発、販売、サービスを主力としている。顧客のITシステム運用における自動化、効率化に貢献することで着実な売上成長と高い収益性を実現してきた。

2015年2月20日(金)の臨時株主総会での承認を経て2015年4月1日(水)より「株式会社ユニリタ」に商号変更予定

 システムのオープン化やダウンサイジングが進展するなかで、企業のIT投資が事業に直接貢献する分野へシフトするなど、外部環境の変化を事業拡大の好機と捉え、事業構造変革に着手した。データ活用など戦略系システムを支援領域とする(株)ビーコン インフォメーション テクノロジー(以下、ビーコンIT)を連結化(2015年4月1日に吸収合併を予定)するなど、需要拡大の見込める分野に事業領域の拡充を図ることで成長を加速する方針である。

 2015年3月期の第2四半期(2014年4月-9月)決算は、売上高が前年同期比53.1%増の3,489百万円、営業利益が同24.7%減の611百万円と大幅な増収ながら減益となった。ビーコンIT連結化が増収に寄与したものの、事業構造変革に伴う先行費用の増加などが利益を圧迫した。同社は、2015年3月期を事業構造再構築元年として位置付けており、業績は一旦踊り場を迎える前提となっているが、売上高を前期比78.4%増の7,500百万円、営業利益を同16.8%増の1,380百万円と見込んでいる。

 経営資源の早期融合による事業基盤の強化や収益力強化のための製品・サービスの統廃合、グループ・シナジーの基盤作りなど、中期的な視点から事業構造変革の進捗が注目される。

Check Point

●顧客事業の「攻め」と「守り」の両面から支援できる体制を実現
●メインフレームでは高いシェアを占め、残存者利益を享受する状況
●中期的にも利益成長に伴う増配の可能性は高い
●2015年4月1日のビーコンITとの合併を機に、「株式会社ユニリタ」へ商号変更
予定

事業概要

ビーコンITの連結化で新たにデータ活用事業を取得

 ビーエスピーは、金融や製造を始め、幅広い業種向けに基幹業務システムの運用管理等を行うパッケージソフトウェア(以下、製品)の開発、販売、サービスを主力としている。独自のノウハウを活かした運用コンサルティングや人材育成等の周辺業務のほか、運用代行サービスも手掛けている。

 金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム向けの製品が創業以来の安定収益源となっており、高い収益性を誇っている。顧客のジョブ管理や帳票管理など、ITシステム運用の自動化、効率化に貢献することで同社業績も着実な成長を遂げてきた。

 一方、システムのオープン化やダウンサイジング化の進展、クラウドの普及、ビッグデータ活用など、外部環境の変化を事業拡大の好機と捉え、事業構造変革に着手した。これまでのITシステム運用の自動化、効率化に加えて、企業価値創造へも貢献できる分野へ事業領域を拡充することで成長を加速する方針である。