(英エコノミスト誌 2015年1月17日号)

今よりずっと多くの西側の支援がなければ、ウクライナはデフォルトに直面する。

 ウクライナ経済は、できることなら2014年を忘れてしまいたい。だが、2015年も大してよくならないかもしれない。

 国内総生産(GDP)はまだ縮小している。ガス代金の支払いと、2014年に価値が半減した通貨フリブナの防衛・下支え策が政府の資金を枯渇させた。

 外貨準備高は昨年12月に約25%減少し、残るはたった75億ドルと、わずか5週間分の輸入カバーに相当する水準に落ち込んだ。中央銀行の総裁は「全面的な金融危機」について語っている。

ロシアが前倒し返済を要求したら・・・

 2015年には、およそ110億ドルの債務返済が控えている。ここにはウクライナがロシア向けに発行した30億ドルの債券が含まれている。この債券は12月に償還期限を迎えるが、ウクライナの対GDP債務比率が60%を超えた場合の前倒し返済条項が盛り込まれている。

 債券利回りは急騰している。格付け機関のムーディーズは、ウクライナのデフォルトの可能性を「極めて高い」と評している。

 公式統計は間もなく出されるが、60%の上限はほぼ確実に突破しているはずだ。ロシアは、自国は債務の返済を要求できると話しつつ、ウクライナのデフォルト(債務不履行)は望んでいないと主張する。もしロシアが債券の償還を求めたら、他の債権者も即時の返済を要求するかもしれない。この脅しはロシア政府にとって便利な交渉の道具だ。

 いずれにせよ、ウクライナはもっと多くの支援を必要としている。欧州連合(EU)は18億ユーロ(21億ドル)の支援を提案している。米国は20億ドルの支援を約束している。だが、最低限の試算でも、ウクライナの今年の資金不足は150億ドルに上るとされている。

 ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領によると、同国東部での戦闘には毎日1000万ドルのお金がかかっている。そして、戦闘は収まるどころか、激しくなっている。ドネツク近郊で1月半ばに起きた反政府勢力によるバス砲撃は12人の死者を出した。