(2015年1月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 優良企業を対象とした新たな調査によると、取締役会の性別のクオータ(割当)と目標が全世界で女性が占める取締役のポストの割合に目に見える効果を及ぼしているという。

 企業における女性の登用を目指す非営利組織、カタリストが実施した初の世界的な調査で、取締役会に占める女性の割合は、ノルウェーのOBX株価指数を構成する企業の35.5%から日本の東証株価指数(TOPIX)コア30を構成する企業の3.1%まで幅があることが分かった。

 ノルウェーが取締役会に強制的なクオータを課した先駆的な国の1つなのに対し、日本にはクオータ制がない。

「戦略があれば進展あり」

 カタリストの社長兼最高経営責任者(CEO)、デボラ・ギリス氏は「コンセンサスが指し示しているのは、どんな国でも国内に意図的な活動と戦略がある時には進展が見られるということだ」と述べた。ただ、同氏は依然として「女性が取締役会で男性と同等の数を達成するまでに我々が世界で歩んでいかねばならない道のりの長さに落胆している」と話している。

 カタリストの欧州諮問会議の議長を務めるアイリーン・テイラー氏は、ノルウェーでさえ、大企業の取締役会における女性の割合は同国の定めた40%のクオータに届かないと指摘する。

 調査は欧州、北米、アジア太平洋を対象とし、20カ国で代表的な株価指数を構成する企業1500社近くを調べた。異なる指数を構成する企業の規模は比較できないため、カタリストは全世界の取締役会における女性の平均比率を公表しなかった。「ある国でうまくいく可能性のある戦略が別の国ではうまくいかないかもしれない」とギリス氏は言う。

 世界のリストの上位に入るのは、フランスのようにクオータ制を導入した国や、クオータの脅しが黙示的な国だ。フランスではCAC40構成企業の取締役の座の29.7%を女性が占めている。FTSE100を構成する企業の取締役の22.8%が女性の英国は、今年までに最大級の英国企業で取締役会の席の4分の1を女性が占めるべきだとする拘束力のない目標を定めていた。

 女性社外取締役の数が増えるにつれ、経営責任を負う職に就く女性が少ないという不安に関心が向かうようになった。だが、ギリス氏はカタリストの別の調査を引き合いに出し、女性取締役の比率が上昇すると、その後、経営を担う女性の割合が高まるという関連性があると指摘する。

 ドイツでは、ドイツ株式指数(DAX)構成企業の取締役の18.5%を女性が占めている。ドイツ銀行の英国銀行子会社、DB UKバンクのCEOでもあるテイラー氏はこの数字について「これまでドイツが批判されてきたから、私にとって嬉しい驚きだ」と語った。ドイツは昨年、2016年から最大級のドイツ企業の社外取締役の30%を女性にすることを義務付けるクオータ制を支持した。

By Andrew Hill in London
© The Financial Times Limited 2015. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.