本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―香港株、原油安の一服を背景に欧米株の牽引で反発―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は続伸しました。ハンセン指数は前週比0.3%近く上昇し、2万3,919ポイントで引けました。また、上海総合指数も続伸し、3,285ポイントで終了しています。

先週の前半は原油相場の一段安やギリシャの政局不安などを背景に、欧米株式相場の冴えない推移もあり、ハンセン指数が下落しました。週後半に欧米株が待ち直すとハンセン指数も反発し、取引時間中に一時心理的な節目である2万4,000ポイントを回復しました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

強気の投資判断が相次いでいる中国インターネット大手の騰訊HD(テンセント)が週間で12%超上昇し、1銘柄でハンセン指数を250ポイント近く押し上げました。また、原油安が燃料コストの低下期待を誘い、空運の国泰航空(キャセイパシフィック)も大きく買われ、週間で8%以上に上昇しました。

<下落>

一方、マカオカジノ運営の銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント)は3%超の下落となりました。また、華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド)など不動産株も軟調に推移しました。

先週発表された主な経済指標

1月9日 生産者物価(PPI、前年比) 12月 -3.3% 市場予想 -3.1%、前回 -2.7%

12月の中国生産者物価指数(PPI)の前年比は前月の-2.7%から-3.3%に下げ幅が拡大し、市場予想の-3.1%より悪化しました。また、中国PPIは34か月連続でマイナスとなりました。スチールや原油などの原材料価格が軟調に推移している限り、生産者物価のデフレーションは暫く続きそうです。


1月9日 消費者物価指数(CPI、前年比) 12月 +1.5% 市場予想 +1.5%、前回 +1.4%

12月の消費者物価指数(CPI)の前年比は 1.5%の上昇と、11月から上げ幅が拡大しました。食料CPIは前年比2.9%の上昇となり、特に卵(14%増)、果物(10.4%増)と牛肉(3%)の上昇が目立ちました。食料除くCPIについては、前年比が0.8%増と前月から伸びが低下しました。特に石油とガスや、化学原材料などの値下がりが物価の上昇を抑えていることがわかりました。


1月13日 中国貿易収支 12月 +496.1億ドル
     市場予想 +490 億ドル、前回 +544.8 億ドル
     輸出 12月 +9.7% 市場予想 +6%、前回 +4.7%
     輸入 12月 -2.4% 市場予想 -6%、前回 -6.7%

12月の中国の輸出は前年比 9.7%の増加と、6%増の市場予想を大幅に上回りました。また、12月の輸入も6%減を見込んでいた市場予想を上回り、前年比 2.4%減と減少率が縮小しました。こうしたなか 12 月の貿易収支は 496.1 億ドルの黒字となり、市場予想を小幅に上回りました。

輸出については、グラフ「中国輸出金額の推移 地域別 (2010年〜)」を見ると、12月の各地域向けの輸出の伸びは日本を除く各地域向けの輸出が上昇しました。2010年年初を100とすれば、特にアジア向けの輸出(11月の 214.3→12月の 229.2)の上昇が目立った一方、日本向けの輸出(11 月の 126.5→12 月の125.5)の低下傾向には要注意です。

輸入については前月に続き、主な原材料の輸入数量が増えたものの、鉄鉱石や原油をはじめ、原材料の輸入価格の低下傾向が鮮明でした。




今後発表される主な経済指標

1月13日〜15日 マネーサプライM2(前年比) 12月 市場予想 +12.5%、前回 +12.3%

12月の貿易収支は496.1億ドル超の黒字となったほか、中国人民銀行(PBOC)の政策スタンスがやや緩和的にかわってきたことから、12月のマネーサプライM2(前年比)は前年比+12.5%と、前月から小幅に上げ幅が拡大すると予想されています。


マーケットビュー
―ハンセン指数、利益確定の売りで上昇一服か、マネーサプライM2に注目―

先週前半に原油相場の一段安やギリシャの政局不安などに加え、欧米株式相場の冴えない展開もあり、ハンセン指数は続落し、一時200日の移動平均線近辺まで下落しました。ただ中国本土関連株の上昇が相場の支えとなったほか、原油安が一服し、欧米株の反発も好感され、ハンセン指数は下げ渋ると週の半ばから3日続伸となりました。また、今週の月曜日(12日)には、不動産大手の長江実業(チョンコン)とグループ会社で複合企業の和記黄埔(ハチソンワンポア)が両社で抜本的な事業再編を実施すると発表したことが相場の買い材料になり、先週後半の上昇の勢いを維持し節目の2万4,000ポイントを回復しています。

今週のハンセン指数は上昇一服が予想されます。原油相場の一段安や、欧米株の軟調な推移が重石となりそうです。また、ハンセン指数は連日で上昇したものの、売買代金が減少傾向にあることからさらに上目を試すにはエネルギー不足で、昨年11月の高値(2万4,313ポイント)が意識されるなか、先週からハンセン指数が600ポイント近く上昇したことで利益確定の売りが出やすいといえます。しかし、中国の輸出が予想を上回ったことや、香港の大手企業である長江実業と和記黄埔の事業再編などの買い材料もあり下値は限定的だとみられます。

なお、今週中に発表される中国のマネーサプライM2や新規人民元建て融資などの経済指標にも注目です。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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