(2015年1月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

パリの風刺新聞社で銃撃、12人死亡 「預言者のかたき」

1月7日、銃撃のあった仏パリの風刺週刊紙シャルリエブドの本社の外で、負傷者を搬送する消防隊員〔AFPBB News

 フランス当局は何カ月も前から自国領土への大規模なテロ攻撃を恐れ、警告を発してきた。中東で戦うイスラム主義勢力に参加する大勢のフランス兵士と過去の殺戮事件から、当局者は懸念を募らせていた。

 どこまでも不遜な風刺画を掲載する週刊紙シャルリエブドに対する7日の襲撃の犯人はまだ特定されていない*1

 だが、フランソワ・オランド大統領は12人が撃たれて死亡したパリ中心部の現場を訪れ、即座にこれはテロ攻撃だと断定し、「疑いの余地はない」と述べた。

フランスが恐れてきた脅威

 すぐにイスラム過激派に疑いがかけられた。シャルリエブドは下品な風刺画で他の宗教とともにイスラム教を繰り返しバカにしてきた。何年も警察に警護されている同紙のオフィスは過去に、紙面でイスラム法をちゃかした後に火炎瓶を投げ込まれたこともある。

 フランスのマニュエル・バルス首相が自国出身のジハード(聖戦)主義者からのフランスに対する「前代未聞の脅威」と呼んだ状況において、シャルリエブドは明白な標的だった。

 フランスは、近年シリアとイラクのジハード主義武装勢力に加わった欧州の市民や住民のうち最大の数を生み出してきた。当局はしばらく前から、こうした過激派がフランスに戻った時の「報復」のリスクについて警鐘を鳴らしてきた。

 昨年暮れ、政府当局の推計は、外国のイスラム過激派集団に過去に参加した、または現在参加しているフランスの市民・住民の数をおよそ1000人としていた。公式推計は当時、およそ200人が帰国し、そのうち50人以上が投獄されたと述べていた。

 帰国した人の中にはジハード主義の大義に幻滅した人もいるかもしれないが、戦闘を母国に持ち込む意思を持ち、監視の目をかいくぐったかもしれない人によって治安の不安が高まっている。

*1=この記事が出た後に、警察が犯行グループ3人を特定したと伝えられている