(2015年1月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

カリフォルニア州の高速鉄道のイメージ(California High-Speed Rail Authority)

 1月6日午後、カリフォルニア州セントラルバレーの都市フレズノでジェリー・ブラウン州知事が出席した式典は、予定より1年以上遅れて開催され、多くの人が間違った場所だと批判する街で執り行われた。

 だが、米国初の真の専用高速鉄道を建設するカリフォルニアのプロジェクトを支持する人々は、総工費680億ドルの建設工事の正式着工を記念する起工式は、米国人の移動のあり方の歴史的な変化を告げるだろうと話している。

短距離の航空便と競合する待望の高速鉄道サービス

 2029年までに、旅客列車がセントラルバレー――カリフォルニアの一大農業地帯――を通る520マイル(1マイル=1.6キロ)の線路を最高時速220マイルで疾走する予定になっている。高速鉄道は、カリフォルニア州の2大人口集積地であるロサンゼルス盆地とサンフランシスコ・ベイエリアの間を約3時間かけて乗客を運ぶことになる。

 ロンドンに本拠を構える国際的な輸送コンサルティング会社スティア・デイビス・グリーブのジム・スティア氏によると、より大きな意味では、新線は短距離航空便の競合サービスとして全世界で急速に成長している輸送形態に米国が参入したことを告げるという。

 「これはすべて世界的なトレンドの一環だ」。スティア氏はこう言い、インドやイタリアなどの国々で新たな高速旅客鉄道プロジェクトが進行中だと指摘する。

 米国には、ボストンとワシントンを結ぶ北東回廊線を時速100マイル超で走る列車があるが、この路線はカリフォルニアの新鉄道とは異なり、特定の目的のために建設されたわけではない歴史的なルートだ。

 カリフォルニアの高速鉄道プロジェクトにとっては、敷き詰められたコンクリートと設置された鉄の量で進捗が測られる段階に達したことさえ勝利にあたる。プロジェクトを推進するカリフォルニア州高速鉄道局(CHSRA)は2000年以降、資金的、法的な問題の茂みを切り開いて計画を前進させるために戦ってきた。