緊急輸入では焼け石に水、
バター不足解消には構造的変革が必要

酪農家も牛も減っている

2015.01.09(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

 生乳を原料とする乳製品の中でも、バターの減産が著しい。2014年度(4~11月)はチーズは1.9%の減少、クリームは2.9%の増加だったのに、脱脂粉乳・バターは7.5%の減少。このうち、バターの生産量は9.2%の減少だった。生乳の増産の計画を立てているにもかかわらず、減少に歯止めがかかっていない状況だ。

バターと生乳の生産量推移。2014年度は11月までのもので、バター生産量は同期比9.2%減、生乳生産量は同2.2%減 (参考:農林水産省「牛乳乳製品統計」より編集者作成)

緊急輸入してもバター不足はすぐに解消されない

 バター不足解消のために政府は海外から1万トンのバターを緊急輸入したが、店頭のバター不足は解消していない。

 政府は緊急輸入したバターのうち、7000トンをすでに乳業メーカーに売り渡しており、2015年3月までに残りの3000トンを輸入する予定だ。しかし、メーカーはこの先もバター不足が続くとみて出荷制限を続けている。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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