(2015年1月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

BMW、初の電気自動車を公開 来年日本発売予定

独BMW初の電気自動車「BMW i3」〔AFPBB News

 BMWのハラルド・クルーガー氏は、同社の高性能セダンを思わせる堂々たる加速ぶりで出世の階段を駆け上ってきた。しかし、最も険しい道のりはまだ始まったばかりだ。

 同社のインターンからスタートして生産部門のトップに上り詰めたクルーガー氏は、上品で社交的な49歳。今年5月に同社の最高経営責任者(CEO)に正式就任する予定で、大手自動車メーカーでは最も若いCEOになる。

 事情をよく知らない人には、同氏の任務は単純なものに見えるかもしれない。BMWは多くの面で健全そのものだからだ。

絶好調に見えるBMWだが、行く手には険しい道のり

 CEOを8年間務めてきたノルベルト・ライトホファー氏の下、BMWグループは比較的軽い傷を負っただけで世界金融危機を切り抜けた。中国で事業を急拡大させる一方で、コストと人員の削減を進めたことなどが奏功した。

 BMWはそれ以降大幅な増益を達成しており、高級車の販売においてもライバルのメルセデス・ベンツやアウディなどをリードし続けている。

 またその一方で電気自動車にも力を入れており、「iシリーズ」というブランドを投入して勝負に出た。このシリーズの車体には、軽量化のために炭素繊維をふんだんに使用している。ユニークなのは、この炭素繊維をBMWがSGLカーボンとの合弁会社の助力を得ながら自ら生産していることだ。

 しかし、エクサーヌBNPパリバのアナリスト、スチュアート・ピアソン氏は、この勢いを維持するのは大変だろうと見ている。

 「前任者と同じレベルの仕事がすぐにできる状況でないことは明らかだ」とピアソン氏。「ライトホファー氏は大変な実績を残してきたし、他社との比較においてもBMWはかつてなかったほど強くなっている。うらやましいポストではあるが、恐らく、今この時期に継承するのはあまりうらやましいことではない。クルーガー氏にしてみれば、市場予想を上回る成果を上げることがその分難しくなるからだ」