(英エコノミスト誌 2015年1月2日号)

ギリシャの解散総選挙が、同国、そしてユーロに大きな危険をもたらす理由。

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ギリシャが再びユーロ危機の中心にいる(写真はアテネ)〔AFPBB News

 2009年末にユーロ危機が勃発して以来、ギリシャはずっと危機の中心地、または中心に近いところに位置してきた。

 2010年5月、同国はユーロ圏で初めて救済策の適用を受けた。2011年と2012年には、単一通貨ユーロからの離脱(いわゆる「Grexit=グリグジット」)を巡り、この国が繰り返し議論の対象となった。

 またギリシャは、公的債務が再編されたユーロ圏で唯一の国でもある。そして2014年12月29日、ギリシャ議会は大統領を選任することができず、任期半ばにして解散に追い込まれ、1月25日に総選挙を実施することになった。

 ユーロ危機は新たな、非常に危険度の高い段階に足を踏み入れつつあり、ギリシャはまたしてもその中心となっている。

危険な段階に入るユーロ危機

 投資は即座に卒倒した。アテネの株式市場はたった1日で5%近く下落し、なかでも銀行株の落ち込みはさらに激しかった。ギリシャの10年物国債の利回りは9.5%にまで上昇し、2014年の最高水準を更新した(これはイタリア国債の利回りと比較しても7ポイント以上高い数字だ)。

 このような過敏な動きが一斉に起きたのは、世論調査から、アレクシス・ツィプラス氏が率いる極左のポピュリスト政党、急進左派連合(SYRIZA)が選挙に勝利すると見られるためだ。

 ツィプラス氏はギリシャをユーロ圏に留まらせたいとしているものの、現在の救済策に付帯している条件の大半を反故にする意向を示している。

 緊縮財政を終わらせ、最低賃金の切り下げや公的支出の削減方針を撤回し、資産売却も取りやめて、債務のほとんどについて支払いを拒否するというのだ。