先週の米国株式市場
―ギリシャ問題で大幅下落しダウ平均は1万8000ドル割れ―


<先週の概況>

先週の米国株式市場は下落しました。ギリシャの政情不安問題などからリスクオフムードとなり、ダウ平均は29日から31日まで続落し、1万8000ドルを割り込んで2014年の取引を終えました。

年が明けた1月2日にはダウ平均が一時130ドル近く上昇するなど反発する場面もありましたが、ISM製造業指数が前月から大きく悪化したことを受け結局ほぼ横ばいとなりました。S&P500やナスダック総合指数も下落しました。


米国株式市場バリュエーション




業種別リターン



ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

ダウ平均採用銘柄で上昇した銘柄はありませんでした。

<下落>

指数採用の30銘柄すべてが値下がりしました。インテル(INTC)、シスコシステムズ(CSCO)、マイクロソフト(MSFT)などハイテク関連銘柄の下落が目立ちました。

先週発表された主な経済指標

ISM製造業景況感指数 12月 55.5 市場予想 57.5 前月 58.7

2日に発表されたISM製造業景況感指数は55.5と前月から3.2ポイント悪化し、市場予想を大きく下回りました。
ヘッドラインを構成する項目別に見てみると新規受注(66→57.3)、生産(64.4→58.8)、在庫(51.5→45.5)の3項目が大きく悪化しました。
企業景況感の大幅な悪化は気がかりで、悪化が単月にとどまるのか来月以降も連続で悪化するのかを慎重に見極めたい局面と言えそうです。


今後発表される主な経済指標

1月9日 12月 非農業部門雇用者数(前月差) 市場予想 +24万人 前月 +32.1万人
     12月 失業率 市場予想 5.7% 前月 5.8%

9日に12月の雇用統計が発表されます。最も注目を集める非農業部門雇用者数の市場予想は24万人の増加となっています。また、合わせて発表される失業率は5.7%と前月から0.1ポイントの改善が予想されています。

イエレンFRB議長の発言などから2015年はFRBが利上げを行うと予想されており、その時期は労働市場の回復動向が影響を与えると考えられるため、引き続き雇用統計については大きな注目を集めることになりそうです。


マーケットビュー
―ISM製造業指数の大幅悪化に注意―

先週のマーケットビューでは、ダウ平均が1万8000ドルを維持して年内の取引を終えることができるか注目と記しましたが、残念ながらダウ平均は1万8000ドル割れとなりました。

そして経済指標欄でも記したように1月2日に発表されたISM製造業景況感指数が大きく悪化した点が懸念されます。12月のヘッドラインは55.5と改善と悪化の境目となる50を上回ってはいるものの、昨年6月以来の低水準で、11月からの悪化幅は昨年1月に寒波の影響で一挙に前月から5ポイント以上悪化して以来の大幅な悪化となっています。もちろん大幅な悪化が単月にとどまる可能性もあり現時点で過度の悲観は不要ですが、6日に発表されるISM非製造業指数や来月以降の製造業景況感指数の動向に注意を払っておきたいところです。

フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

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