(2015年1月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

「メイドに現金盗まれた」、通報した実業家に税務調査 ギリシャ

大統領の選出に失敗したギリシャは1月25日に総選挙を行う〔AFPBB News

 今年はユーロ圏が正念場を迎える年になる。予定されている3つの選挙――今月のギリシャの選挙と年後半のポルトガルとスペインの選挙――は、危機解決に向けた欧州連合(EU)のアプローチが政治的にうまくいくか否かを教えてくれるだろう。

 少なくとも1度、政治的混乱が生じる確率は極めて高い。ギリシャ、スペイン両国では、極左政党が世論調査でリードしている。

 ギリシャでは、政治的な選択は基本的に、財政緊縮の現状維持か、交渉による債務のデフォルトかという二者択一だ。後者の道を進むべきだとする経済的な論拠には説得力がある。ギリシャの債務は国内総生産(GDP)の175%に上っている。

 同国は今すぐに、こうした債務をすべて返済する必要はない。EUからの「公的」債務については、ギリシャは2023年まで利息を払わない。だが、2023年というのはほんの8年先の話で、長期の投資家であれば誰もが視野に入れている近未来だ。

債務危機の局面で常に試され、常に失敗してきた戦略

 ギリシャに対するEUの公式政策は、債務の返済猶予と表現するのが一番だ。つまり、債務問題を認識しながら、避けられない結末を先送りする政策である。

 返済猶予はギリシャのアントニス・サマラス首相と同氏率いる連立政権の政策でもある。これは一種の「extend and pretend」だ。債務を繰り延べし、相手に支払い能力があるふりをするわけだ。世界の債務危機の歴史は、こうした戦略が常に試され、常に失敗することを我々に教えてくれる。

 さて、ここへデフレを加えよう。ユーロ圏のインフレ率(消費者物価の総合指数)は今月以降、直近の原油安の影響でマイナスに転じる可能性がある。デフレは債務の実質価値を膨らませ、ギリシャを崖下へ突き落とす恐れがある。

 残念ながら、債務再編に向けて説得力のある主張を展開している唯一の政党は、急進左派連合(SYRIZA)だ。SYRIZAは債務再編については正しいものの、ユーロ圏からの離脱の可能性を排除することで不誠実な態度も取っている。