2014年7月31日付けで、『海軍の艦載用対水上・対空・対ミサイル防衛レーザー: その背景と議会にとっての課題』と題する米議会報告(CRS; R41526)が出された。

 その中では、公開情報に基づく米海軍の高出力レーザー兵器の開発の実態が詳細に記述されている。

1 報告書全般要約

米陸軍、車載式レーザー兵器「HEL MD」の試験に成功

米海軍のミサイル駆逐艦デューイに暫定的に搭載されたレーザー兵器システム(LaWS)技術デモンストレーター〔AFPBB News

 現在の開発段階では、今後数年で射程1マイル程度の一部の対水上・対空目標に対処可能な艦載型の高出力レーザーの配備が可能になった。

 その後数年でさらに強力な艦載型レーザー兵器の配備が可能なところまで来ているとされている。

 国防省は3種類の水上艦艇用レーザー兵器を開発している。

 すなわち、ファイバー型個体レーザー(solid state laser: SSL)、スラブ型SSL、および自由電子レーザー(free electron laser: FEL)である。

 米海軍は、ドック型輸送揚陸艦「ポンセ」にレーザー兵器システム(Laser Weapon System; LaWS)を搭載し、今年の夏からペルシア湾で作戦環境下での試験を行っている。2020年度又は2021年度に初期作戦段階(IOC)になることが予定されている。

 米議会には、3種類のうちいくつの種類のレーザー兵器を開発するのか、また艦艇の設計と取得に及ぼす影響をどう見るかという課題が問われている。