(英エコノミスト誌 2015年1月2日号)

オンデマンド経済の隆盛は、労働者にも企業にも政治家にも、難しい問題を突きつける。

配車アプリ「ウーバー」は違法、韓国検察がCEOと提携先を起訴

スマートフォンの画面に表示された配車サービス「ウーバー(Uber)」のアプリ。スペイン・バルセロナにて〔AFPBB News

 20世紀初頭、ヘンリー・フォードが流れ作業の組み立てラインと大量の労働力とを結びつけ、従来よりはるかに安価かつ迅速に自動車を製造できるようにした。その結果、自動車は金持ちのおもちゃから大衆の移動手段になった。

 今日、サービス分野で同じことを実現しようと奮闘する起業家が増えている。コンピューターの力とフリーランス労働者を組み合わせて、かつては富裕層のみが享受できた贅沢なサービスを提供しようとしているのだ。

運転手に雇ってあげる――食材の買い出しもお願いね

 米ウーバー(Uber)はお抱え運転手を提供する。米ハンディ(Handy)は清掃人を手配する。米スプーンロケット(SpoonRocket)はレストランの料理を家庭に届けてくれる。

 米インスタカート(Instacart)は冷蔵庫に入れる食材を買い出してくれる。サンフランシスコではすでに、若いコンピュータープログラマーが王女様のような暮らしをすることができる。

 そればかりではない。このオンデマンド経済は、時折贅沢を味わう以上の広がりを見せている。米メディキャスト(Medicast)のアプリをクリックすると、2時間以内に医者が自宅に往診してくれる。

 弁護士やコンサルタントが必要なら、米アクシオム(Axiom)が前者を、英エデン・マッカラム(Eden McCallum)が後者を用意してくれる。研究開発上の問題を解決したり、広告アイデアを思いついたりしたフリーランス労働者に報奨を与える企業もある。

 豪フリーランス・ドットコム(Freelancer.com)や米イーランス・オーデスク(Elance-oDesk)のように、ありとあらゆる種類のフリーランス労働者を斡旋する業者の数が増えている。後者は930万人の労働者を370万社に紹介している。

 オンデマンド経済の規模はまだ小さいが、急速に成長している。2009年にサンフランシスコで創業したウーバーは、現在53カ国で事業を展開する。2014年には10億ドル以上の売上げを計上し、400億ドルの企業価値を有する。