韓国のユーモアで、「60代になると肌が触れるだけで、70代になると存在自体が離婚の理由」というのがある。黄昏離婚の増加をほのめかすようなジョークである。

年々増え続ける黄昏離婚

 実際、今年10月に大法院(日本の最高裁)が発刊した「2014司法年鑑」によると、昨年韓国で離婚した夫婦11万5000組の中で、結婚期間が20年以上あった夫婦の「黄昏離婚」件数は3万2433件(2013年の統計)。

映画『君よ、その川を渡るなかれ』のスチールカット

 全体の28%を占め、歴代最高だった。

 そして黄昏離婚の比率は2006年19.1%、2007年20.1%、2008年23.1%、2009年22.8%、2010年23.8%、2011年24.8%、2012年26%と少しずつ増加している。

 このような夫婦関係の断絶が広まっているなか、文化界では静かに「夫婦愛」ブームが到来している。老夫婦の愛と離別を描いたドキュメンタリー『君よ、その川を渡るなかれ』が12月22日現在、220万人の観客を動員した。

 『君よ、その川を渡るなかれ』の「川」は、もちろん三途の川のことである。

 76年間寄り添って生きてきた夫婦の日常を描いたドキュメンタリー映画で、その中に登場するおじいさん(98歳)とおばあさん(89歳)の純愛は見る人の心を打つ。