(英エコノミスト誌 2014年12月20・27日合併号)

2015年のロシアが深刻な景気後退に陥ることは今や確実となった。状況はさらに大きく悪化する可能性がある。

 中央銀行の世界では、時間をかけ、着実で、予測可能な決定を行うことが目標だ。そのため、真夜中に銀行関係者が会合を開き、金利を一気に6.5%も引き上げる時は、何かが大きく誤った方向に進んでいることを示唆している。

 実際そうだ。多くの人が恐れていたロシアの通貨危機が今や現実になり、ロシア政府内のムードはパニックに近い(図参照)。

 ロシア人が心配するのは当然だ。深刻な景気後退と天井知らずのインフレという致命的な組み合わせに向かっているからだ。

国外で始まったロシアの苦悩が・・・

 ロシアの苦悩の多くは国外で始まった。ロシアは国内の石油・ガス企業に大きく依存している。炭化水素は連邦予算の半分余りに寄与し、輸出の3分の2を担っている。国は多くのエネルギー企業の株を大量に保有するだけでなく、それら企業に融資する、国の支援を受けた銀行を通してこれらの企業と間接的なつながりを持っている。

 原油価格はこの半年間で50%近く下落し、12月半ばには1バレル60ドルを切った。金融危機の安値以来最も低い水準だ。ルーブルは原油価格を追いかけるように下落した。

 ロシアがウクライナで扇動した戦争は、2番目に大きな国外問題だ。米国と欧州連合(EU)は多くのロシア企業に金融制裁を科しており、こうした企業が国外で資金調達するのを難しくしている。

 米国の政治家らは12月12日、ウクライナ軍に武器を供与することで合意し、紛争がさらにエスカレートする可能性が高まっている。追加制裁の計画も準備が進んでいる。

 だが、危機は今、全面的な広がりを見せるようになった。12月15日、ブレント原油にはほとんど動きがなかった――1%下落した――が、ルーブルは急落し、ドルに対して10%下落した。これは1998年に起きた前回のルーブル危機以来最悪の落ち込みだ。

 ロシア中央銀行は、ルーブルを買い支えるために20億ドルを使って介入したと考えられている。介入は奏功せず、真夜中の利上げもうまくいかなかった。ルーブルは12月16日、さらに11%下落した。