(2014年12月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

シリア軍がイスラム国「首都」空爆、95人死亡 過半数が民間人

多くの地域で経済が荒廃している(写真はシリア政府軍による空爆を受けたシリア・ラッカで燃える炎)〔AFPBB News

 世界銀行によると、シリアでの3年間の戦争と過激派組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」の台頭は地域に350億ドルの経済損失をもたらした。

 世銀は調査報告で、経済統合に向かっていた国々を紛争が壊滅させたと述べた。わずか数年前には国境を越えた商取引と投資に満ちていた地域において、戦争がもたらした被害とその後の地域経済・貿易の崩壊の結果、シリアは1人当たり経済的厚生を16%、イラクは14%、レバノンはほぼ11%失った。

 シリア、イラク両国の大部分を飲み込み、レバノンを巻き込む恐れがある多国にまたがる戦争は、戦闘地域に暮らす人たちに大きな経済負担を与えたが、一方では暴利をむさぼる人を生み、一部の商人に好機をもたらすことにもなった。

 世銀のエコノミストのエレナ・イアンチョビチナ、マロス・イバニッチ両氏が執筆した報告書によると、地域的には、戦争とその後のISIS台頭が「巨大な人的、社会的、経済的コストをもたらし、地域貿易の統合プロセスを止め、ひいては発展を阻害し、レバント地域の将来に甚大な影響を及ぼす恐れがある」という。

 しかし、戦争の直接的なコスト――執筆者たちはこれを、人命の喪失と難民流出による労働力の規模とスキルの減退、インフラの破壊、禁輸措置、腐敗と表現している――は、全体的な経済損失額と比べると見劣りする。

レバント地域6カ国が被った被害

 紛争が起きる前、シリア、レバノン、トルコ、ヨルダン、エジプト、イラクの間の貿易は着実に増加していた。ところが今、これらレバント諸国6カ国では、経済の潜在力が大きく損なわれることになった。

 「紛争は、地域の経済成長と多角化、雇用創出を加速するために不可欠だと見なされていた地域貿易統合プロセスを止めた」。報告書はこう書いている。「地域貿易の崩壊はレバント域内の貿易、サービスの生産性だけでなく、レバント域内でサービスを生産、輸入するコストの足を引っ張り、すべてのレバント諸国でサービスの生産高に負の影響を与える」