第47回衆議院議員総選挙の投開票日に放送された今回の『やすトラダムス』(12月14日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。元衆議院議員の中山正暉氏と元産経新聞記者の今西和貴氏のナビゲートで、投票率や選挙制度の話題などを取り上げた。

「政治のデジタル化」を起こした小選挙区比例代表並立制

今西 今日12月14日、第47回衆議院議員総選挙の投開票が行われました。投票率は戦後最低だった前回を下回るとの報道も入っています。また開票速報によると、自民・公明の連立与党で300議席超を確保する大勝となる見通しですが、今回の選挙をご覧になっていかがですか。

第47回衆院選、きょう投票

投票率は52%と記録的低水準にとどまった〔AFPBB News

中山(正暉) まず投票率ですが、地方以上に大都市圏の低投票率が顕著です。期日前投票制度があるため一定の投票率が確保されていますが、当日投票率は下がる一方です。

 民主主義の根底は選挙にあります。投票に行かなかった有権者も少なからず政治の影響を受けるわけですから、もっと多くの方に投票所に足を運んでいただきたいですね。もっとも、選ばれた政治家がしっかりしなければならないのは当然のことですが。

 私はかねて、小選挙区比例代表並立制に疑義を呈してきました。先日、9月20日に死去した元社民党党首の土井(たか子)元衆院議長を追悼する「お別れの会」があって参加してきたのですが、その霊前で河野(洋平)元衆院議長が次のように弔辞を述べました。

 「私が自民党総裁だった94年1月、当時の細川(護煕)首相とのトップ会談で衆院の小選挙区比例代表並立制の導入を決めた。この時、議長だった土井氏から議長公邸に呼ばれ、慎重な検討を求められたにもかかわらず強行してしまった。それは政治の劣化をもたらすことになる大きな間違いだった」と。

 94年当時を振り返ると、小選挙区比例代表並立制をめぐり数回にわたって衆議院と参議院の協議が行われましたが、最終的には両院協議会で同法案が可決され、成立しました。

 こうして日本の選挙制度は択一的に候補者を選ぶようになったことで選挙の“どんでん返し”が起きやすくなり、政治のデジタル化が進んでしまった。

 小選挙区比例代表並立制が分かりにくい理由は、小選挙区制と比例代表制を組み合わせている点にあります。