(2014年12月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

デンマークも北極海底での権利獲得を目指す

北欧の小国デンマークがロシアなどの大国と支配権を争うことになる〔AFPBB News

 「グレート・ゲーム*1」が北極圏に移りつつある。

 クリスマスまであと数日となった今、デンマークが世界で初めて北極点の支配権(主権的権利)を正式に主張した。

 北極においては、すでにロシアやカナダが現在の境界線よりも北極点寄りの一部海域について支配権を主張しており、北欧の人口560万人の小国は外交の舞台でこの両国と衝突する可能性がある。

 「これらの国々が大陸棚の外側の限界線を画定するために何億ドルもの資金を投じてきたことは、北極がいかに重要になっているかを物語っている。グレート・ゲームが北方に移りつつある」。カルガリー大学に籍を置く北極の専門家、ロブ・ヒューバート氏はこう語る。

海底に眠る石油とガスを巡る争い

 デンマークは15日、同国の自治領グリーンランドの沖合約90万平方キロメートルの支配権を認めるよう申請する文書を国連に提出した。デンマークに先駆け、カナダは昨年、北極点の支配権を主張する方針だが、その前にデータをさらに集める必要があると語っていた。

 焦点は、北極海の海底に眠っているとされる石油、ガス、鉱物資源だ。米国政府がまとめたある研究報告によれば、世界の未発見の天然ガスの30%と石油の13%が北極に存在する可能性があるという。

 北極については、強く警告されたような事態にはまだ至っていない。2007年に潜水艦が北極点の海底にロシア国旗を立てた後もそうだ。北極海の石油探査の試みもまだ実を結んでいない。

 また、各国は国連海洋法条約を批准してから10年以内に、支配権の申請書を提出しなければならない。ノルウェーとロシアは提出済みで、カナダも提出の意向を示している。米国は同条約をまだ批准していない。

*1=英国とロシアがかつて繰り広げた勢力圏争いのこと