(英エコノミスト誌 2014年12月13日号)

ハッカーたちはソニーに容赦ないスポットライトを浴びせている。

流出データは破棄を、米ソニー映画会社がメディアに要請

ハッカー攻撃に見舞われたソニー・ピクチャーズ エンタテインメント〔AFPBB News

 映画が気に入らない評論家たちは通常、痛烈な批評を書く。

 だが、北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)の暗殺を描いたシーンが含まれるソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのコメディ映画「ザ・インタビュー」は、ある特定のグループから批評などよりはるかにダメージが大きい反応を引き起こした。

 同社のコンピューターシステムを攻撃したハッカー集団は12月8日、さらなる混乱を避けるために、彼らが「テロリズムの映画」と呼ぶものの公開を中止するよう要求した。

 ソニー・ピクチャーズは電機大手ソニーの一部門だ。同グループでは、警告が発せられたのと同じ日に「プレイステーション」のゲームネットワークが一時的に接続障害に見舞われた。

 ソニー・ピクチャーズは、今年ハッキングされた企業の長いリストの最新事例だ。侵入工作を経験した他の有名企業には、銀行のJPモルガン・チェースや電子商取引の巨人、イーベイなどがある。だが、ソニーのケースは、少なくとも2つの理由で特筆すべきものだ。

従業員の社会保障番号や給与などが流出

 1つは、ソニー・ピクチャーズを襲った「ガーディアンズ・オブ・ピース(#GOP)」を名乗るハッカー集団が11月下旬に同社のデジタル防衛を破ってからの振る舞いだ。ほとんどのハッカーは、貴重なデータをこっそり盗み、気付かれる前に逃げ去ることを好む。

 だが、ソニー・ピクチャーズを攻撃した集団は代わりに同社を公然と嘲った。約4万7000人に及ぶ現従業員、元従業員の社会保障番号を漏洩し、給与など財務関連の機密情報を公表したほか、未公開映画数本のコピーをオンラインで配信し、幹部同士が交わした扇情的な電子メール(これが今、ハリウッドの話題をさらっている)を投稿した。

 ぞっとすることに、ソニー・ピクチャーズの社員の中には、本人や家族を脅迫する電子メールを受け取った者もいる。もっとも、そうしたメールが元々のハッカーから送られたのか、別のグループから送られたのかは不明だ。