(2010年8月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
今から数カ月前、ギリシャの債務危機に対する懸念が渦巻いている頃は、誰かが日本国債について一言触れようものなら、市場はいずれ政府債務の重みに耐え切れず崩壊する運命にあるのか否かという議論になった。
以来、日本政府の財政難には変化がないにもかかわらず、そうした議論は(少なくとも当面は)先細って消えた。国債に投資家の買いが集まる中で、現在、指標となる10年物国債の利回りは1%を下回って推移している。長期金利の1%割れは、1998年、2002~03年に続き、史上たった3度目のことだ。
史上3度目の長期金利1%割れ、今回はバブルにならない?
2003年には一時、10年物国債の利回りが0.4%まで低下した。だが、銀行が保有している国債を一気に売ろうとしたため、同年6月半ばから9月初めにかけて、利回りは1.18%も跳ね上がった。この利回り急騰は銀行の収益に打撃を与え、後々まで邦銀の記憶に残る痛みをもたらした。
「日本の市場参加者は1998年と2003年に利回りが1%を下回った時のトラウマがあるため、今でも金利リスクには慎重だ」と、みずほ証券のチーフストラテジスト、高田創氏は言う。
こうした懸念は残っているものの、今回はバブルが生じないと考える理由がいくつかあるとアナリストらは指摘する。
まず、日本の融資需要は減少傾向が続いている。流動性のある円建ての投資先が限られているため、これは銀行が国債投資に振り向ける資金が増えていることを意味する。また、生命保険会社からの国内需要も相当ある。生保各社は債務に見合う資産を確保するために、まだ日本国債を買わねばならないからだ。
こうした国内需要に加えて、海外からの需要も増加している。海外の投資家は円高に引かれ、短期および長期の日本国債を買っている。財務省の週次報告によれば、外国人投資家(非居住者)による日本の短期債の買越額は、5月初頭から8月8~14日の週までの累計で5兆7380億円に上った。
中国の存在感
最近、最も目立つ外国の買い手が中国だ。日本の統計は債券を保有している主体ではなく、売買が実行された場所を追跡しているため、中国人が実際に今年どれだけ買ったのかは分からない。
とはいえ、今年1~6月期には中国からの直接投資による日本国債の買越額が過去最高の1兆7330億円に達している。資金の大部分は、期限が1年ないし1年未満の短期債に投資されたものだ。
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