(2014年12月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

衆院選で与党が圧勝、投票率は記録的低水準に

12月14日夜、都内の自民党本部で記者会見する安倍晋三首相〔AFPBB News

 安倍晋三首相は大喜びしているようには見えなかったし、特に安堵しているような様子でもなかった。

 実際、14日の夜遅く、安倍氏がさらに4年間、世界第3位の経済大国の政権運営を確実にしたことが出口調査で判明した数時間後にテレビ番組に出演した際、その口調は控えめだった。

 「この2年間の安倍政権の信任をいただいたと思っている。だからと言って慢心してはならない」と安倍氏は述べた。

戦後最低の投票率と減りゆく得票数での「勝利」

 多少の謙虚さは、恐らく必要だったのだろう。安倍氏率いる自民党が2年前の総選挙で大勝して政権に返り咲いた時、小選挙区での得票数は、勢いに乗った民主党と戦った2009年の総選挙での得票数より約170万票少なかった。

 今回、自民党が獲得した有権者の支持は、2012年当時よりも少なかった。自民党の得票率は安定的に推移すると見られていたが、投票率が過去最低に落ち込み、前回の59.3%から約52%へと低下したからだ。

 約600億円の費用がかかったと見られる煩雑な解散総選挙を経た挙句、自民党は定数475議席の衆議院で約290議席を獲得し、解散前とほぼ変わらない結果に終わった。連立相手の公明党と合わせると、野党の勢力が比較的大きい参議院の決議を覆すのに必要な3分の2の安定多数を維持した。

 政策研究大学院大学の竹中治堅教授は「安倍氏は中間試験に合格したが、最終試験はまだこれからだ」と語る。

 安倍首相は今回の総選挙を、デフレからの脱却を目指す、アベノミクスとしても知られる包括的経済プログラムの是非を問う国民投票として位置づけた。