(2014年12月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 今年はクリスマスディナーにかかるコストが4年ぶりに下がることになる。世界の供給が潤沢で食料価格が下がっているためだ。安上がりなクリスマスを夢見る買い物客にとって、安いコモディティー(商品)価格は願い事に対する1つの答えかもしれない。

 コモディティーデータ会社のミンテックによると、七面鳥やジャガイモ、芽キャベツの価格が下落したおかげで、昨年まで3年連続で上昇してきたターキーディナーの材料が今年は5%低下する見通しだ。

七面鳥やミンスパイの材料が軒並み値下がり、人工クリスマスツリーも安めに

4人分で1650万円のクリスマスディナー 高級食材惜しみなく

通常はクリスマス前に上昇する七面鳥の価格も、一貫して昨年の水準を下回っているという〔AFPBB News

 小麦粉、砂糖、ドライフルーツ、乳製品の価格急落を背景に、ミンスパイを作るのに必要な材料は15%安くなっている。人工クリスマスツリーさえもが安くなりそうだ。中国で生産されるポリ塩化ビニル(PVC)の主原料である石炭の価格が大幅に下落したからだ。

 今年初めには、近年大きく乱高下していた食料価格が上昇傾向をたどるように見えた。だが、世界的な好天が食料市場、特に穀物市場を軟化させた。国連食糧農業機関(FAO)によると、食料価格は現在、4年ぶりの安値をつけている。

 FAOの食料価格指数――国際市場における穀物、食肉、乳製品、植物油、砂糖の価格を追跡し、貿易加重した指標――は2010年8月以来の低水準となっている。

 FAOの穀物担当の上級エコノミスト、アブドルレザ・アバシアン氏は、金融市場とエネルギー市場の動きを受け、これまで数カ月安定していた食料価格指数の変動が大きくなる可能性があると言う。「大半の食料のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は価格に織り込まれているが、原油市場と為替市場からボラティリティーが生じる」

 一方、エネルギー価格の下落――原油の国際指標のブレント原油の価格は今年6月の高値から40%以上下落した――は生産者の原価低減をもたらし、農産物価格の下落につながる可能性があると一部アナリストは語っている。

 穀物価格の下落は、飼料費の低下と七面鳥の価格下落を意味した。七面鳥の価格は通常、クリスマスの前に上昇するが、ミンテックによると、今年は「一貫して2013年の価格を下回っている」という。

 七面鳥価格は1年前と比べて4%安く、以前より冒険的になり、七面鳥に代わる肉に目を向けるようになった消費者も市場を押し下げている。