(2014年12月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国共産党、周永康氏を調査 「重大な規律違反」の疑い

中国・北京で開かれた全国人民代表大会に出席する周永康・政治局常務委員(当時、2012年3月5日撮影)〔AFPBB News

 中国の国営メディアは周永康氏の失脚を称賛し、これを「中国の特色ある社会主義法治」と、習近平国家主席が2年前に政権を握ってから最重要課題として推進してきた反腐敗運動の勝利だと形容している。

 周永康氏は、1949年の中華人民共和国建国以降に正式な汚職容疑をかけられる人物の中では最も上位の共産党幹部となる。

 中国の公安機関(裁判所、裁判官、警察、秘密警察を包含する機関)のトップとして恐れられていた周氏は、国家機密の漏洩、収賄および姦淫の罪を犯したとされている。これらの「規律違反」を理由に共産党の党籍も剥奪されており、今後はかつて自身が支配していた裁判所で刑事訴訟に直面することになる。

 反腐敗運動では、これまでに25万人を超える共産党員が逮捕されたり処分を受けたりしている。ここには閣僚級かそれ以上の地位にある人物もざっと50人含まれている。

クリーンな政府の永続的なモデルか、ただの政治権力闘争の兵器か

 しかし、これが一党独裁国家におけるクリーンな政府の永続的なモデルなのか、それとも今回の反腐敗運動は結局のところ政治権力闘争の兵器にすぎないのではないか、という疑問が残る。

 権力闘争の兵器にすぎないという見方を裏付ける裁判が先月、中国南部の都市・広州で始まった。

 この事件では、政治運動家の郭飛雄氏と孫徳勝氏が、中国の政治指導者たちに個人資産の公開を求める小規模な街頭デモを行った後、「群衆を集め公共の秩序を乱した」との容疑をかけられた。同じ要求をしたほかの活動家十数人は、同様な罪で複数年の懲役刑をすでに言い渡されている。

 自らの政治的地位を脅かす恐れのある人物を反腐敗運動を使ってパージし、自らに忠実な人物をその後釜に据えるというのは、中国では昔からある伝統的なやり方だ。胡錦濤氏や江沢民氏、鄧小平氏といった習近平氏の前任者たちも、全員この手法を用いていた。

 しかし今回のパージは、これまでのどのパージよりも踏み込んだ徹底的なものであり、期間も長い。そのため中国国内には、ライバルを抹殺する政治戦術というよりは構造改革だと結論づける向きもある。