(2014年11月29/30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

イスラム国とともに戦う米国人は「十数人」、米国防総省が見解

シリア北部ラッカで戦車で行進する「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」の戦闘員には、外国人も多い〔AFPBB News

 ジハード(聖戦)を行う過激派は、戦線での休憩中に何を欲しがるのだろうか? 前線で人気がある食べ物の1つは「プリングルズ」のポテトチップスだ。エネルギー飲料の「レッドブル」も人気がある。

 シリアに殺到した何千人もの外国人戦闘員は、過去を思い出させる禁欲的なイスラム国家を建設したいと思っている。だが、自分たちが軽蔑している西側諸国の現代のお菓子や機器への嗜好は捨てていない。

 地元の住民たちは、残忍な集団処刑や斬首を使って独自の規則を住民に課すこうした戦闘員を恐れて暮らしているだけではなく、3年間の内戦が招いた経済危機を生き延びる方法を見つけようとしている。多くの人は、最善の戦略は、自分たちが忌み嫌う戦闘員たちの嗜好に応じて商売することだと話している。

禁欲的なイスラム国家でポテトチップスやチョコレートバー

 ポテトチップス、チョコレート、エネルギー飲料、そしてノンアルコールビールは、シリアとイラクの広大な地域に勢力を拡大した過激派武装組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」のために戦う多くの外国人に好まれるおやつだ。ISISはイスラム教の預言者ムハンマドの時代をまねたカリフ制国家を築いていると主張している。

 ISISの宗教的布告と外国人戦闘員の嗜好は、ISISの支配地域の地元経済を一変させている。アルコールを売る店が廃業する一方で、ジャンクフードの売店や洋品店――特にミリタリー風の衣料品を扱う店――、携帯電話の販売店は多少の利益を上げている。

 「ISISの支配地域の経済は今、外国人戦闘員によって動かされています。それ以外はすべてゼロですよ」。シリアの中核都市ラッカで衣料品店を営むサレさんはこう言う。

 シリア東部の農村地帯では、多くの店主は、ISISの外国人戦闘員がやって来るまで、レッドブルのようなエネルギー飲料など聞いたこともなかった。また、東部の都市デリゾールの業者は、「スニッカーズ」や「バウンティ」――欧州や湾岸諸国出身の過激派に人気のチョコレートバーのブランド――を売ることなど夢見たこともなかった。

 「こうしたお菓子は知られていなかったか、私たちには買えない贅沢品だった。でも、戦闘員たちに頼まれた時に質問なんかしませんでしたよ。仕入先に駆け込んで、発注しました」。身の安全のためにナシムという仮名を使うある店主はこう話す。「プリングルズとスニッカーズ? ISISの連中は戦線で分け合うために箱ごと買っていきます」