不揃いの野菜はおいしいのだ

「在来種」の野菜が消えていく

2014.12.05(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

 在来種は、味がよいことはもちろん、何代にもわたって様々な土地で地域の食文化を形成してきたという文化的な価値がある。また、均一化、単一化された作物は急激な天候不順や予期せぬ病気に脆弱だという。在来種を栽培し続けることは、リスクを分散するために多様性を確保するという側面もある。

 多様性が失われ、モノカルチャー化していく日本。共同購入など持続的に農家を買い支える仕組みも見失われつつある。種を守り続けてきた農家にとっても、高齢化の進展や自然環境の変化、燃料の高騰などの厳しい状況が続いている。

 農家の収入の安定性を考えると、もはやF1は不可欠だと思われる。F1と共存しつつ、在来種を繋いでいくことが求められているのかもしれない。

 個人的には、専門家による審査で、特に優れた風味が認められ、生産者が明らかにされた「スペシャリティコーヒー」の仕組みに着目している。産地と売り手をつなぐ仕組みをつくり、良質なコーヒーを継続的に流通させ、農家に利益を還元する。そんな仕組みが在来種の農作物でもできないだろうか。

 まだまだ流通量は少ないが、消費者一人ひとりが「在来種」を選択することで、次の生産につなげる。種をつないでいくことができる。そう期待したい。

いかがでしたか?
JBpress をブックマークしましょう!
Twitterで @JBpress をフォローしましょう!
Facebookページ に「いいね」お願いします!

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


食の万華鏡

食の安全に対して国民の関心が高まっている。今後、安全で美味しい食の供給国としての日本を考えた時にもこの問題は重要になる。食の安全の話題を中心に、食トレンド、食品マーケットなど、食にまつわる様々なテーマを取り上げる。