(英エコノミスト誌 2014年11月29日号)

グーグルに対する欧州の動きは、消費者ではなく企業を守るのものだ。

欧州議会、事実上の「グーグル分割」要望決議を採択

欧州議会は事実上の「グーグル分割」要望決議を採択した〔AFPBB News

 欧州議会は11月27日に1つの決議を可決した。投票に先駆けて出回っていた決議案は、特定の企業を名指しこそしていないものの、どの米国のインターネット大手を念頭に置いているか、極めて明白だった。

 ある決議案は「検索エンジン事業をそれ以外の商業サービスから分割」し、欧州の企業と消費者のために公平な条件を確保することを求めている。欧州の「グーグル恐怖症」が最も劇的な形で表れた最新の事例と言える。

 欧州委員会で競争政策を担当していたホアキン・アルムニア氏は、今年に入ってから米グーグルとの間で一連の和解を調停し、検索結果でライバル企業のショッピングや地図のサービスを自社サービスと同様に目立たせることを求めた。

 だが、欧州議会の議員たちは、後任のマルグレーテ・ヴェステアー氏に、さらに強硬な路線を取ることを求めている。そうして出てきたのが、グーグル分割を求める声だ。

 欧州議会に、この脅しを実行する権限が実際にあるわけではない。だが、こうした欧州議会の動きは、米国や韓国などの政治家たちが呈してきた疑問に直接つながるもので、プライバシーから産業政策に至るまでのあらゆる問題を包括している。その疑問とはすなわち、「グーグルをはじめとする一握りの企業がインターネットを独占している状況は、どれほど懸念すべきものなのか?」というものだ。

検索エンジンなんか怖くない?

 グーグル(同社のエリック・シュミット会長は、本誌=英エコノミスト=の親会社の取締役でもある)のウェブ検索市場のシェアは、米国で68%、欧州の多くの国では90%以上に上る。

 米フェイスブックや米アマゾンなどの他のハイテク大手と同様、グーグルもネットワーク効果の恩恵を受けている。ネットワーク効果とは、人気のあるサービスがさらに多くのユーザーを引きつけることで際限なく拡大していく現象を指す。

 グーグルは他のどの企業よりも多くのデータを集めており、そうしたデータから有益な情報を引き出すことにも優れている。いったんグーグル検索(およびグーグルの電子メール、地図、デジタルストレージサービスなど)を使い始めた人が利用をやめることはめったにない。小規模な広告主は、別のプラットフォームへの切り替えが煩わしすぎるため、わざわざ移行しようとはしない。

 だから、グーグルは明らかに市場を支配している。だが、その支配的状況を乱用しているかどうかは、また別の問題だ。