韓国の財閥間で大型の買収劇が実現する。主役はもちろんサムスングループ。防衛、化学事業をハンファグループに1兆9000億ウォン(1円=10ウォン)で売却する。事業拡大一辺倒だった韓国の財閥が、「選択と集中」に動き出す契機になるとの見方が強い。

 2014年11月26日、サムスングループと韓国の財閥10位(2014年4月現在の資産規模ベース)のハンファグループは、サムスングループの防衛、化学関連会社をハンファグループ関連会社が買収することで合意したと発表した。

概ね黒字の関連会社4社を一括売却

サムスンとアップル、米国外での特許訴訟取り下げで合意

サムスンのビッグディールは韓国財閥が「選択と集中」に動き出す契機になるか〔AFPBB News

 防衛・機械メーカーであるサムスンテクウィン株32.4%と同社とフランス防衛関連企業との合弁会社であるサムスンタレス株50%、サムスン総合化学株57.6%と同社とフランス企業との合弁会社であるサムスントタル株50%を、すべてハンファグループの関連会社が買収する。

 2013年の売上高は、サムスンテクウィン2兆6298億ウォン(営業利益960億ウォン)、サムスンタレス6176億ウォン(同206億ウォン)、サムスン総合化学2兆3642億ウォン(営業赤字576億ウォン)、サムスントタル7兆8574億ウォン(営業利益5506億ウォン)だ。

 サムスン総合化学を除いて、かなりの規模で大半は黒字を出しているサムスン関連会社4社が1度にハンファグループに売却になる。韓国で最大最強のサムスングループは、1997年のIMF危機と呼ばれた通貨・経済危機の際に多くの事業を売却したが、規模の大きい関連会社をこれだけまとめて韓国の他の財閥に売却するのは初めてのことだ。

 韓国の産業界の大ニュースは、「韓国経済新聞」の有料情報サービスが11月25日の夜10時前に「特ダネ」で報じた。だが、これを見た関係者は少なく、結局、26日の朝刊では同紙と「朝鮮日報」が1面トップで大きく報じた。

 韓国メディアによると、今回の買収劇は、防衛産業を強化したいハンファグループが、サムスングループに、戦車向けの電子機器などを製造するサムスンタレスの買収を打診した。

中堅企業1社の買収のはずが、サムスン側の逆提案でビッグディールに

 ハンファグループは、サムスングループが進めている事業の再編を注意深く見ていた。サムスングループが防衛関連事業を「中核事業ではない」と判断していると見て、買収を持ちかけたのだ。

 年間売上高が6000億ウォン強の堅実な中堅企業の買収劇のはずだった交渉は、ハンファグループにとって予想外の展開になる。