(英エコノミスト誌 2014年11月15日号)

マドリード政府はカタルーニャ人に投票を認めるべきだ。そして選挙で分離派を敗ったらいい。

カタルーニャ自治州、独立の是非問う住民投票を見送り

カタルーニャ人はたとえ独立を望んでいなくても、選ぶ権利を求めている〔AFPBB News

 分離は厄介な問題だ。1世紀半前、米国は分離を防ごうとして内戦(南北戦争)を戦った。だから、自国の内戦の苦い記憶があるスペインがカタルーニャの独立に反対するのは意外ではない。

 しかし、スペインが分離問題に関する住民投票を認めるのを拒む姿勢と同じくらい、投票を実行するカタルーニャの決意は強い。そのため地方政府が11月9日に投票を実施し、参加した人の8割が独立に賛成票を投じたわけだ。

 マドリードの中央政府はこの投票を違法と呼び、また投票率がわずか37%だったことから失敗と呼んだ。一方、カタルーニャ政府は、今回の投票でカタルーニャ独立の正当性が立証されたと述べている。

 どちらも正しくない。住民投票を実施すべき根拠は強いが、投票が行われるのであれば、カタルーニャはスペインの一部として残る方に投票すべきである。

スコットランドとは異なる事情

 マリアノ・ラホイ首相率いる国民党(PP)政権は、1978年憲法に基づき、いかなる住民投票も実施できないとの立場を崩さない。その方針は、来年のスペイン総選挙でナショナリストの票を獲得したいという政府の願望に負うところもあるが、同時に、もしカタルーニャが離脱したらスペインはどうなるのかという純粋な不安から生じている面もある。

 カタルーニャの民族主義者は、今年秋のスコットランドの住民投票で力を得たが、カタルーニャはスコットランドではない。

 スペインの他地域と比較すると、カタルーニャはスコットランドの2倍の規模があり、国の人口の16%前後を占める。また、カタルーニャの方がずっと豊かで、スペインの国内総生産(GDP)のほぼ2割に貢献しており、スコットランドとは異なり、かなりの金額を国内の他地域に移転している。

 加えて、スペインは他にも落ち着かない地域を抱えている。もしカタルーニャが分離することになれば、バスク地方やガリシア州も後に続くかもしれない。カタルーニャの独立はだから、スペインの存続そのものに重大なリスクをもらたすのだ。