英フィナンシャル・タイムズや米ウォールストリート・ジャーナルなどの海外メディアの報道によると、米フェイスブックは、密かに法人向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を開発しているという。

メール、チャット、書類共有機能も

ビジネス特化型SNS市場、フェイスブック参入で混戦の兆し

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(左)とリンクトインジェフ・ウェイナーCEO〔AFPBB News

 サービス名は「Facebook at Work」。フェイスブックの社内では社員が長らくこのサービスを日常業務のツールとして利用しており、以前からこれを社外に公開しようという案があったという。

 フィナンシャル・タイムズによると、フェイスブックでは過去1年の間に社内で同サービスの本格的なプロジェクトを始めた。現在は立ち上げに向けて複数の外部企業と試験運用を行っているという。

 またウォールストリート・ジャーナルは、サービスの開始は来年の1月初旬、当初は無料で提供し、広告は表示しないと伝えている。

 同紙によるとFacebook at Workは、サービス登録した企業の従業員だけが利用できるという仕組みになる。またその画面は既存サービスとよく似ており、ニュースフィードやグループなどの機能もある。

 たたしプロフィールは従来の個人用のものとは別になる。例えば、既存サービスに投稿したプライベートな写真や動画はFacebook at Workに掲載されない。

 そして、ここではほかの社員とチャットをしたり、取引先と連絡を取り合ったり、書類を共有して共同作業したりできるという。

 つまりこのサービスは、ビジネス向けSNSの米リンクトイン(LinkedIn)、オンラインストレージや書類共有、電子メール、チャットサービスを手がける米グーグル、そしてオフィスソフトや電子メールサービスのほか、企業向けSNS「ヤマー(Yammer)」を持つ米マイクロソフトなどと競合するという。

ユーザー数13.5億人に到達も伸びは鈍化

 その狙いは、ユーザーの利用時間の拡大だとフィナンシャル・タイムズは伝えている。というのも、同社のサービスを巡っては、機密情報の漏えいや、社員の生産性への影響を懸念する企業が社内での利用を禁止する事例が多いという。

 もしフェイスブックがこうした懸念を払拭し、企業から信頼を得ることができれば、企業内で同社サービスの利用が認められ、ユーザーの利用時間を拡大できるという。