(2014年11月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 香港と上海の株式市場の注目の相互乗り入れが来週17日に始まる。中国の資本勘定開放に向けた最も重要な動きの1つの始まりを告げ、相互乗り入れが大幅に遅れるとの不安を解消することになる。

 香港、上海市場の株価は、このニュースに反応して急騰した。相互乗り入れによって初めて、外国人投資家が上海株を直接売買できるようになる一方、中国本土の投資家は香港上場企業の株式を買えるようになる。

予定より遅れて始動する「ストックコネクト」

 「ストックコネクト」と呼ばれる乗り入れ計画が当初の10月開始予定からずれ込んだことで、計画が本土の政治的な動きにはまり込んだとか、税務上、技術上の問題にぶつかったといった憶測が飛んだ。香港の梁振英行政長官は先週、計画開始の遅延を香港の民主派デモに対する本土の不満と関連づけた。

 だが、中国と香港の規制当局と2つの証券取引所は10日、中国の李克強首相が4月に発表したパイロット事業を来週始動させることを承認したと発表した。

 発表を受け、代表的な株価指数の上海総合指数は2.5%上昇して取引を終えた。一方、香港のハンセン指数は寄り付きに2%以上跳ね上がったが、他の市場の控えめなムードに足を引っ張られ、終値の上げ幅は0.8%だった。

 香港証券取引所を運営する香港交易所の株価は4.6%上昇した。同社株は今年40%以上高騰し、ハンセン指数で上げ幅が最も大きな銘柄となっている。

 香港交易所の最高経営責任者(CEO)、李小加氏は「これは一度も試されたことのないものだ」と述べた。

システムを適合させる複雑な準備作業

 銀行関係者らは内々に、相互乗り入れに向けた準備は、長年の経験の中でも特に複雑な作業だったと打ち明ける。

 香港市場、上海市場の双方の投資家はこれから売買を手掛ける市場の規則を順守しなければならず、資産運用会社やその証券保管・決済機関、委託売買を手掛ける証券会社がシステムを適合させるために数々の調整を行う必要がある。