(英エコノミスト誌 2014年11月8日号)

共和党は大きな勝利を収めた。次は妥協することを学ばなければならない。

危ぶまれる米暫定予算成立、政府機関閉鎖の影響は

中間選挙では共和党が圧勝し、上下両院の過半数を獲得した〔AFPBB News

 11月4日の米国中間選挙前の世論調査では、バラク・オバマ大統領率いる民主党が痛い目に遭うことが示唆されていた。だが、実際の結果は、痛い目どころか大敗だった。

 共和党はやすやすと上院を制し、下院の獲得議席数は、ほとんどの米国民が生まれて以来最大となった。ニューヨークの選挙区で立候補した共和党候補は、20件の詐欺容疑で起訴されているにもかかわらず当選した。

 詳しく見ると、この結果は民主党にとってさらに悪いものだ。民主党の目論見では、減税を進めて労働組合を叩く共和党の州知事たちを追い落とせるはずだったが、ほぼ全員が再選された。それどころか、メリーランドやマサチューセッツといった民主党の支持基盤の州の知事選も、共和党の候補が制した。

 オバマ氏は、自身の仕事ぶりに下された屈辱的な審判から逃げられない。大統領が遊説に訪れた地元イリノイ州の知事選では、民主党の現職と、入会金が10万ドル以上するワインクラブに所属する共和党候補が争っていたが、5ポイント差でワイン愛好家が勝利した。

 とはいえ、祝杯を挙げている共和党も、今回の勝利を拡大解釈しないように気をつけなければならない。

 選挙戦中、共和党は、前向きな政策を有権者にあまり提示しなかった。共和党が主に力を注いだのは、世界で起きているあらゆる問題について、オバマ氏を責めるよう有権者に訴えることだった。その戦略は勝利を収めるには十分だったが、共和党が望む保守的な政策を推し進める信認を得たことにはならない。

 米国では、党派意識を持つ国民がこれまでになく増えているものの、政治の行き詰まり状態にうんざりしている人はそれよりも多い。そうした人たちは自ら選んだ議員に対して、むしろ妥協してしっかり成果を出してほしいと望んでいる。有権者を満足させるには、米国は新たな政治手法を見つけ出さなければならない。

穏健派に対する信認

 他国の多くの人々は、今回の選挙結果に当惑するはずだ。米国は、ほかの先進国に比べて良い状態にある。経済は成長し、株式市場には活気があり、失業率は低下し、財政は少なくとも欧州の基準からすれば健全だ。激戦州の民主党候補に「応援に来るな」と言われるほどオバマ大統領が嫌われているのを、不思議に思う人もいるだろう。

 その答えは、米国経済が表面的には良さそうに見えても、有権者がそれを実感していないことにある。所得のメジアン(中央値)は低迷し、多くの世帯は将来に大きな不安を抱いている。米国民の3分の2という圧倒的に多くの人が、子供の世代の暮らしは今の自分たちよりも悪くなると予想している。