(2014年11月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

復興支援で低利融資、被災地の金融機関に 日銀

異例の僅差で追加の金融緩和を決定した日銀〔AFPBB News

 日本はもう、当事者全員の総意によって運営される国ではない。

 少なくとも金融政策についてはそうだ。日銀の黒田東彦総裁は先週、政策委員会の委員9人のうちわずか5人の賛成を得ただけで、さらに大規模な「量的・質的金融緩和」を打ち出した。

 この計画によれば、日銀は今後、日本国債を年間80兆円のペースで購入する。日本の国内総生産(GDP)の16%に相当する金額だ。

 これにより、日銀のバランスシートの対GDP比は、80%という水準に向かって急上昇する。この比率で言うなら、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)、英国のイングランド銀行よりもかなり大きなバランスシートを擁することになる。また、日銀は買い入れる国債の平均残存期間も7~10年に延長するとしている。

 また、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、基本ポートフォリオに占める国内債券の割合をこれまでの60%から35%に減らす一方で、株式(国内および外国)の割合をこれまでの24%から50%に引き上げる方針を明らかにした。

 この結果、GPIFは日本株の保有額を900億ドル、外国株の保有額を1100億ドル、それぞれ増やすことになる。また、日銀は、GPIFが保有する日本国債を購入することによって、この株式購入の資金を間接的に供給することになる。

日銀の追加緩和の効果は?

 日銀は今回の決断の正当性を次のように主張している。「物価面では、このところ、消費税率引き上げ後の需要面での弱めの動きや原油価格の大幅な下落が、物価の下押し要因として働いている」。その結果、「これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある」という。

 では、日本のしつこいデフレを終わらせようという今回の強化された取り組みは、果たして成功するのだろうか。この問いに答えるためには、直接的な効果とシグナルの発信とを分けて考える必要がある。

 GPIFによる株式の購入は大規模かもしれない。しかし、日本国債への投資を民間企業の株式への投資に切り替えることが大きな成果をもたらすとは考えにくい。