まだまだ“甘口”、
日本のレストラン認証制度は夜明け前

外食産業はもっと食材の情報開示を

2014.11.07(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

相次いで発覚した食材偽装

 スーパーなどで販売される商品の包装には原材料や賞味期限などの表示がある。一般に流通する生鮮食品や加工食品には法律で表示が義務づけられている。

 一方、外食のメニューには表示義務がない。理由は、客が店に直接尋ねられることや、「シェフのおすすめランチ」などと、客に訴える宣伝広告的側面があるためだ。特定項目の表示を義務づけるのは馴染まないと考えられてきた。

 だが、ブランド牛とうたっているのに、実際は違う肉を使っている場合など、消費者に誤解を与えてしまう表示は問題になる。例えば、商品・サービスの品質を、実際より優れていると偽って宣伝すると「優良誤認表示」になる。「無農薬野菜使用」と表示しているのに、実際は慣行栽培の野菜を使っている場合などだ。

 また、商品やサービスの品質が競合業者のものより得だと思わせるような表示は「有利誤認表示」となる。ある食品をメーカーの希望小売価格より安いかのように表示していたが、実際はメーカーが希望小売価格を設定していなかった場合などである。

 このような表示は、不当な表示や過大な景品を取り締まる「景品表示法」で取り締まられている。違反となるかどうかは、「消費者に著しく優良・有利と誤認を与えるか」で決まる。不当表示の疑いがある場合は、消費者庁と都道府県、公正取引委員会の地方事務所が調査し、違反と認められた場合は、消費者への説明や再発防止策の実施などを命じる「措置命令」を下すことができる。措置命令に従わない場合は、事業者の代表に2年以下の懲役または300万円以下の罰金が、また事業者に3億円以下の罰金が科せられる。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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