本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
ハンセン指数、海外の力強い金融緩和及び上海との相互取引の期待で続伸


<先週の概況>

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は前週比約3%上昇し、2万3,998.06ポイントで引けました。また、上海総合指数も堅調に推移し、週間ベースで117.9ポイント安の2,420.18ポイントとなっています。

先週のハンセン指数は、米FRBが実質ゼロ金利を維持する「相当な期間」という文言を残したことや日銀が追加緩和を発表したことが好感されたほか、上海株と香港株の相互取次の解禁への期待で買い優勢となり、大幅に上昇しました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

香港ハンセン指数構成銘柄のうち44銘柄が上昇しました。1銘柄は変わらずで、5銘柄が下落しました。百麗国際控股(ベル・インターナショナル・ホールディングス)は増益と増配の決算が好感され、週間で15%超上昇しました。また、中国平安保険集団(ピンアン・インシュランス)と中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス)の中国保険関連の2銘柄がともに好決算で大きく買われ、週間で6%余り上昇しました。

<下落>

一方、中国海洋石油(CNOOC)は外資系のアナリストが株式を「買い」から「ホールド」に格下げたことで嫌気され、売られました。また、香港と上海の相互取引の開始時期が具体性に欠けていることから香港交易及結算所は小幅な下落となりました。

先週発表された主な経済指標

11月1日 中国製造業PMI 10月 50.8 市場予想 51.2 前月 51.1

日本時間11月1日10時ごろ発表された10月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.8と、前月から0.3ポイント低下し、上昇を見込んでいだ市場予想を下回りました。

規模別のPMIを見ると、各規模の企業PMI指数は軒並み前月より下落しました。大企業の製造業PMIは前月より0.1ポイント低下の51.9となりました。中企業の指数も前月と比べて0.9ポイント下落し、49.1となりました。小企業のPMI指数が悪化し続き、前月から0.1ポイント低下の48.5となりました。この結果を見ると、特に中小企業の回復の勢いは依然弱く(好不況の分かれ目である50を下回った)、政府による中小企業向けの刺激策が一段と追加される可能性もありそうです。

指数の内訳を見ると、10月の各構成指数はまちまちでした。新規受注は前月の52.2から51.6に低下したほか、生産は前月の53.6から53.1に低下しました。一方、雇用が前月の48.2から48.4に小幅に上昇したことはひとまず労働状況の悪化が下げ止まる方向にあると言えそうです。





今後発表される主な経済指標

11月8日 中国貿易収支 10月 市場予想 +4110億ドル、前回 +3094億ドル
    輸出 10月 市場予想 +10.6%、前回 +15.3%
    輸入 10月 市場予想 +5.0%、前回 +7.0%

中国の製造業PMI構成指数である海外受注指数の低下を受けて、輸出も軟調に推移する可能性がありそうです。9月の中国の香港向け輸出と中国からの香港の輸入の乖離を見ると、2013年前半に起きたことと同じような「キャリートレード」による輸出の水増しの可能性が高いと考えられます。9月の傾向が継続すれば、10月の貿易収支は高水準で維持する公算が高く、4110億ドルと予想されています。

マーケットビュー

―香港株、冴えない経済指標と銀行決算で上昇一服か、レノボなどの決算に注目―

先週のハンセン指数は、週間で約3%上昇しました。特に米FRBが実質ゼロ金利を維持する「相当な期間」という文言を残したことや日銀が追加緩和を発表したことによって投資家の悲観心理が後退し、日米株式市場の大幅な上昇もハンセン指数を牽引しました。また、中国工商銀行、中国平安保険集団(ピンアン・インシュランス)、百麗国際控股(ベル・インターナショナル・ホールディングス)との企業の決算が予想を上回ったことも相場を押し上げました。さらに、香港の梁振英(C・Y・リョン)行政長官や証券当局の高官が相次いで相互取引の実現に意欲や自信を示し、取引の早期解禁期待が高まり、ハンセン指数が一段高する支えとなりました。

ただ、懸念材料としては、中国のファンダメンタルズ面及び大手企業の冴えない決算発表が挙げられます。先週発表された中国製造業PMIは前月から低下し、生産と新規受注が軒並み下落したことも中国の経済成長が下振れリスクを高めていく兆しを示しています。また、中国銀行(バンク・オフ・チャイナ)、交通銀行(バンク・オブ・コミュニケーションズ)、匯豐控股 (HSBCホールディングス)との企業の第3四半期の決算は市場予想に届かず、特に不良債権比率が小幅ながら悪化したことが嫌気され、相場の売り材料になりました。

テクニカル面では、今週月曜日にハンセン指数はボリンジャーバンドの上のバンドを上回り、短期的な過熱感が出てきたと思われます。特に連日の出来高が薄いなか、上値を追う買いが出にくく、今週のハンセン指数は上昇が一服し、一進一退の展開となりそうです。短期的には125日の移動平均線(2万3,700ポイント)がサポートになると考えられる一方、心理的な節目である2万4,000ポイントまた75日の移動平均線を上回るかどうかがポイントとなりそうです。

今週は、聯想集団(レノボ)や銀河娯楽(ギャラクシー・エンターテイメント)といった大手企業の決算発表が予定されています。今週の土曜日に発表される中国の貿易統計とともに注目です。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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