(2014年11月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

BRICS、開発銀行と「小規模版IMF」の創設で合意

今年7月にブラジル北東部フォルタレーザで開かれた「BRICS」首脳会議で公式写真撮影に臨む各国首脳〔AFPBB News

 BRICSの熱狂は2014年のサッカー・ワールドカップ・ブラジル大会が開かれているときにピークを迎えた――。歴史家はこう記すことになるかもしれない。

 ブラジルのジルマ・ルセフ大統領はこのイベントを利用してBRICSの5ヵ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の首脳会議を開催した。この席では、本部を上海に置く新しい開発銀行の設立が発表された。

 ルセフ氏主催のこのパーティーにけちをつけたのは、大会でブラジル代表がドイツ代表に7対1という大敗を喫したことだけだった。だが、あれから数カ月が経った今、BRICSはブラジル代表と同じくらい残念な結果に終わるかもしれないという雰囲気が生じ始めている。

BRICSの物語にまつわる3つの大問題

 BRICSの物語を巡っては、大きな問題が3つ浮上している。第1の問題は経済だ。5カ国のうちブラジル、ロシア、南アフリカは経済の不振に苦しんでいる。インドで今年行われた総選挙も、経済成長がここ数年停滞している中での戦いだった。中国だけは年率7%超の成長をまだ続けているものの、困難な改革に取り組んでいる真っ最中でもある。

 経済の活力を共有することがBRICSという物語の土台になるはずだったが、少なくとも今のところは、この土台は失われてしまっている。

 第2の問題は政治だ。BRICSが好調だったころは、メンバー各国の政治システムも順調に機能していると見るのが自然だった。今では複数のメンバーがトラブルを抱えており、汚職をはじめとする政治的弱点がますます露わになっている。

 第3の問題は、BRICSのメンバーが曖昧模糊としていることに関係している。このグループが非西側世界の代弁者になろうとしていることは間違いないが、メンバー間の違いは非常に大きい。

 例えば、ブラジルや南アフリカの発展を見たところで、中国の将来が展望しやすくなるわけではない。中国はあまりに強大であるため、それ自体で1つのカテゴリーになってしまうのが実情だ。また、ロシアは西側との関係において独特かつ深刻な危機にはまり込んでいる。