経営のためのIT活用実学

コールセンター業界に忍び寄る
「電話離れ」という危機スマホ特需で活況を呈しているが・・・

2014.11.06(木)  桑津 浩太郎

 これはコールセンター各社にとっては「今そこにある危機」と言ってよい。ビジネスモデルの再構築と、メディアの変化に対応した構造改革、そして本当の意味でのコンタクトセンターとなることが求められている。

変革を先送りしてきた「ラテンな市場」

 洗練されたシステムの有無に目をつぶれば、電話を利用した通販の受け付け、NTTの番号案内など、コールセンターとしての機能は1980年代以前にほぼ現在の形で存在していた。今のような外部委託と積極的なアウトバウンド(コンタクトセンターから消費者に電話をかけること。逆がインバウンド)が形となったのは90年以降の話である。

 当時から、多くの消費財、サービス、金融など消費者を対象とした企業が安定的な顧客基盤を形成していた。コールセンター事業者はそうした企業を顧客として、その時々の大きな「イベント」によって大きく成長してきた。

 例えば、マイライン(電話)の開始、テレホンバンク(金融、証券)、家電や住宅設備、自動車などの大規模リコール、年金の問い合わせ、スマホブームなどが、この20年ほどの間、3~4年の間隔で起きている。そのたびに企業や官公庁には膨大な問い合わせや注文が押し寄せ、さばききれない電話をコールセンター各社が引き取ることになった。

 コールセンター業界は、人の採用と維持、繁閑格差に対応した人的資源配置などの経営課題を抱え続けているが、景況改善による需要増加と「イベント」特需によって、成長しては一息つくことを何度も繰り返して、本当に必要な変革を先送りしてきた。

 ある意味で「ラテンな市場」(イベントが来ると大いに…

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