本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―ハンセン指数、海外市場の好転と企業の好決算で反発も上値は限定的―


<先週の概況>

先週の中国株式市場はまちまちでした。ハンセン指数は前週比1.21%上昇し、2万3,302.2ポイントで引けました。また、上海総合指数は軟調に推移し、週間ベースで38.9ポイント安の2,302.28ポイントとなっています。

先週のハンセン指数は、週前半に海外市場の好転と企業の好決算を受けて上昇しましたが、週後半は上海株と香港株の相互取次が延期されたことが嫌気され売られました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

香港ハンセン指数構成銘柄のうち39銘柄が上昇しました。1銘柄は変わらずで、10銘柄が下落しました。そのなかでも騰訊(テンセン・ホールディングス)は大きく買われ、週間で6%上昇しました。また、中国銀行 (バング・オブ・チャイナ)と中国交通銀行(バンク・オブ・コミュニケーションズ)がクロスボーダーの資金決済の資格を取得したことで買われました。週間でそれぞれ2%余り上昇しました。

<下落>

一方、カップヌードル大手の康師傅控股(ティンイー)は週間で3%超下落しました。台湾での「オイルスキャンダル」が報じられ、同ブランドの食品安全への懸念で嫌気されました。また、中国聯通(チャイナ・ユニコム)や中国移動(チャイナ・モバイル)も売られました。

先週発表された主な経済指標

10月21日 固定資産投資(前年比) 9月 +16.1% 市場予想 +16.3%、前回 +16.5%

9月の固定資産投資額は前年同期比16.1%増と、市場予想に届かず、前回の16.5%増から低下しました。内訳をみると、鉄道投資や建設投資が堅調に加速したものの、不動産開発投資は対照的に減速が続きました。


10月21日 鉱工業生産(前年比) 9月 +8.0% 市場予想 +7.5%、前回 +6.9%

9月の鉱工業生産は8.0%増と、8月の6.9%増から上昇し、市場予想を上回りました。特に製造業の上昇が9.1%と目立ちました。


10月21日 国内総生産(前年比) 3Q 7.3% 市場予想 +7.2%、前回 +7.5%

2014年第3四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.3%と、7.2%を見ていた市場予想を小幅に上回ったものの、前回の7.5%から低下し、2009年以来最低となりました。内訳をみると、汚職調査の影響で消費が低迷したほか、鉱工業生産が前年と比べて著しく減速しました。また、不動産関連の固定資産投資が軟調でした。ただ、中国人民銀行が緩和策をとったことや、外需の緩やかな回復による輸出の続伸が全体的に経済成長を支える格好となりました。



10月23日 HSBC中国製造業PMI 10月 50.4 市場予想 50.2 前月 50.2

10月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.4と、市場予想の50.2を上回り、前月から小幅に改善しました。

内訳をみると、輸入価額(46.2→44)、新規海外受注(53.9→52.8)、生産(51.8→50.7)での下落が目立ちました。一方、雇用(46.9→48.6)は回復する兆しを示しています。





今後発表される主な経済指標

10月1日 中国製造業PMI 10月 市場予想 51.1 前月 51.1

政府発表の製造業PMIは日本時間今週10月1日10時に発表される予定です。前述のとおり、HSBC中国の製造業PMIは前月と比べると小幅に改善していますが、政府が集計するPMIも同じように上昇できるか注目されます。市場では前月から横ばいの51.1が予想されています。

マーケットビュー

―香港株、FOMCと企業決算を控え上値の重い展開か、中国製造業PMIに注目―

先週のハンセン指数は、週間で1.2%上昇し、200日移動平均線を回復しました。特に世界経済減速の懸念が後退したことによる投資家心理が改善し、欧米株式市場の大幅な反発がハンセン指数を牽引しました。加えて、金沙中国(サンズ・チャイナ)などの企業の決算が予想を上回ったことも相場を押し上げました。ただ、中国の冴えない経済指標や上海株と香港株の相互取次の延期などの悪材料を受けて、ハンセン指数は上値が重くなり、25日の移動平均線を突破できず、週後半は下落となりました。

今週のハンセン指数は、香港のデモが長期化する懸念がくすぶるなか、上海株と香港株の相互取次が延期され、積極的な買いが期待しにくいと思われます。また、今週28―29日には米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、利上げなどに関する声明文の内容を見極めたいとの思惑が強まり、ハンセン指数は上値が重い展開となりそうです。こうしたなか200日の移動平均線また心理的な節目の2万3,000ポイントを維持できるかどうかがポイントとなりそうで、200日移動平均を回復したハンセン指数がその水準で下値を固めることができれば、先高期待も出てきそうです。

今週は中国企業の決算発表が本格化し、中国平安保険(ピンアンインシュアランス)、中国工商銀行、中国石油化工(シノペック)、中国銀行(バング・オブ・チャイナ)といった大手企業の決算が予定されています。今週の土曜日に発表される中国の製造業PMIとともに注目です。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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